お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / ジネット・ヌヴー
・タイトル / シベリウス:ヴァイオリン協奏曲他
・型番 / 英HMV/ALP 1479/ステレオ存在せず/赤セミサークルラベル
■参考買取価格 / ¥10,000
ジネット・ヌヴーは、1919年8月11日パリ生まれのフランスを代表する女性ヴァイオリニストです。7歳でブリュッヘンの協奏曲デビューを果たし、15歳でヴィエニャフスキ国際コンクールにてオイストラフを破り優勝しました。パガニーニやシベリウスなど、ロマン派から近・現代まで多彩なレパートリーを高い技巧と情熱で演奏し、多くの録音を残しました。1949年、アゾレス諸島近くでの飛行機事故により30歳で急逝し、短い生涯ながらその演奏は「世代最高」と称され続けています。
本日ご紹介のレコードは「ジネット・ヌヴー / シベリウス:ヴァイオリン協奏曲他」です。
近年、ヨーロッパを中心にノイズを徹底的に除去する復刻音源が流行していますが、どうも実在感に欠ける音になってしまっているようです。ノイズを取り除いた後、恐らくイコライザーなどで弱くなった音を補正して聴かせる手法が用いられているものの、その過程で演奏家の息遣いや臨場感が失われてしまうことがあります。ブラームスの録音の方が新しいにもかかわらず、シベリウスの録音の方が音の細やかさがしっかり捉えられており、元の録音自体に差があると考えられます。
いずれにしても、シベリウスは名演です。SP盤でもここまで繊細な弱音を再現できるのだと実感させられます。当時活動を始めたばかりのフィルハーモニア管弦楽団との共演からは、若さの勢いも感じられ、音も非常に生々しく響きます。久しぶりに聴いた演奏ではありますが、このシベリウスの録音は、遅めのテンポを基調としながらも緩急の激しい表現がなされており、まるでライヴであるかのように感じられます。ブラームスでもヌヴーは、彼女ならではの才気あふれる表現を聴かせてくれます。
本日ご紹介の盤は1957年にHis Master’s VoiceからリリースしたUK盤です。
再発盤も少なく大変希少なため中古市場の価格は高騰傾向です。
セタガヤレコードセンターでは、ジネット・ヌヴー / シベリウス:ヴァイオリン協奏曲他を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥10,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。