レコードのジャケットに写っている場所へGoogleマップを使ってお手軽に行ってみよう!というコロナ禍で始まりましたお手軽旅行、ジャズ・レコード聖地巡礼シリーズの第7回をやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
●アルバム Nina Simone / Little Girl Blue
Albert HeathとJimmy Bondを率いてのトリオ編成によるBethlehemからリリースされた1959年のNina Simoneのファースト・アルバム。1957年に録音したにもかかわらず、リリースが大きく遅れ、またシングル・カットにも消極的であったりとプロモーションに対する不満もあり、Nina Simoneはアルバムの権利を3,000ドルでBethlehemに売却してColpixへと移籍してしまいます。これが後々トラブルの元に。本作収録の「My Baby Just Cares For Me」は80年代にリバイバル・ヒットし、彼女の代表曲の1つになりました。
Nina Simone / My Baby Just Cares For Me
●聖地 セントラル・パーク
今回の聖地は、セントラル・パークです。アメリカはニューヨーク、マンハッタンにある有名な都市公園。19世紀中頃、大規模な公園を求める機運が住民の中で高まり、これを受けてニューヨークの立法府は、セントラル・パークの造園に向けて動き出します。1873年に完成し、総面積は340ha、現在は年間延べ4200万以上が訪れるニューヨーカー憩いの場所となっています。
では、早速行ってみたいと思います(Googleマップで)。
特に言うことはございません。誰がどう見てもセントラル・パーク。でかい(東京ドーム72個分)。四角い。
ジャケットに写る高層ビルに緑の茂る公園。まぁセントラル・パークでしょうと目星をつけて、背後に写る石積みの橋を探してみたいと思います。ちょうどよいことにWikipedia英語版に「List of arches and bridges in Central Park」というページがありました。これですね。
ギャップストウ橋。ではこの橋の周りを散歩してみます。いいお天気です。この写真とかはそれっぽいんですが橋とベンチの位置が逆。さらに背後に写るビルがありません。ですので、この橋を逆から眺めたいのですが、どうしてもそれっぽい場所にたどり着けず…。
調べたところ、1980年の公園内のウルマン・スケート・リンクの改修で、Nina Simoneが座っていたベンチ周辺はリンク内に取り込まれてしまったみたいです。残念。近い感じだとこの辺りとかでしょうか。冬…。
というわけで気を取り直します。
辿り着けないということが分かっただけでも人間大きな進歩です。
それでは、Nina Simoneが座るこのベンチのデザイン、どこかで見覚えがありますでしょうか?
●アルバム Horace Silver Quintet / 6 Pieces Of Silver
The Jazz MessengersはArt Blakeyがその名を取り、Horace Silverがその実を取る形で分裂。こちらはドラムがLouis Hayesに代わっただけのThe Jazz Messengersのメンバーを引き継いでの録音。本作と言えばやはりHorace Silverクラシックの「Senor Blues」でしょうか。ジャズ・スタンダードともなったダークでエキゾチックなこのラテン・ジャズは、本アルバムが初演です。
そう、答えはHorace Silver Quintetの『6 Pieces Of Silver』のジャケットに写るベンチと同じデザインなのです。早速、現場に向かいたいと思います。とてもじゃないですけど、この広大な広場のベンチをGoogleマップで特定出来るわけがない。という訳で答えです。
セントラル・パークのマンハッタン・サイドのセントラル・パーク・ウェストと西77番通りが交差する交差点付近にあるベンチ。これがトレンチコートに身を包み、楽譜を眺める若きHorace Silverが座っていたベンチだそう。
上2枚の写真はまた別の場所なのですが、コンクリートと木材で出来た同じタイプのベンチ。どうやらデザインは統一されているみたいですね。木材部分は交換されているでしょうが、コンクリの基礎部分のデザインはNina Simone、Horace Silverともが座っていた時代も今も変わらずですね。
という訳で、今回の聖地はセントラル・パーク改め、「セントラル・パークのベンチ」です。
では今回の聖地は下のGoogleマップのリンクからどうぞ↓
セントラル・パークの
Nina Simoneが座っていたベンチ(に近いもの)
と
Horace Silverが座っていたベンチ
以上、第7回のGoogleマップ聖地巡礼でした。
ちなみにGoogleマップ聖地巡礼シリーズの過去作の記事はこちら
① Don Cherry / Don Cherry
② Zoot Sims / The Modern Art of Zoot Sims
③ The Horace Silver Quintet / Song For My Father
④ Yusef Lateef / Lateef At Cranbrook
⑤ Larry Young / Into Somethin’
⑥ Elis Regina / Elis Regina In London, Jackie Mittoo / In London
お付き合いいただきありがとうございました。