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【雑記42回】ジャズレコード Googleマップ聖地巡礼⑤ Larry Young / Into Somethin’】

レコードのジャケットに写っている場所へGoogleマップを使ってお手軽に行ってみよう!というコロナ禍においてのお手軽旅行、ジャズ・レコード聖地巡礼シリーズの第5回をやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

●アルバム Larry Young / Into Somethin’

オルガニストLarry Young。同じBlue Noteのオルガン奏者でもソウル・ジャズ寄りのJimmy Smithとは対照的に、Coltraneマナーなモーダル・ジャズの先駆者として知られています。その代表が本作”Into Somethin’”とその翌年リリースとなった”Unity”でしょう。本作にはSam Riversのワンホーンに、この時期の盟友ギタリストのGrant Green、ドラムスにはElvin Jonesのカルテット。実はGrant Green、Elvin JonesとLarry Youngのトリオで録音されたレコードは幾つかあるのですが、本作以外は全てGrant Green名義になっています。”Talkin’ About”、”I Want To Hold Your Hand”(こちらはHank Mobleyをフィーチャー)、”Street Of Dreams”(Bobby Hutchersonをフィーチャー)がそうなのですが、同メンツでのBlue Note初リーダー作となったLarry Youngは録音に気合が入ったことでしょう。「闘牛場」を表す”Plaza De Toros”はスパニッシュ・モードのモーダル・ジャズ・クラシック。

●聖地 メゾン・ド・ラ・ラジオ

今回の聖地は「メゾン・ド・ラ・ラジオ」です。ジャケットの背景に写るモダンな建築物。エッフェル塔近くのパリ16区にあります。フランス国立放送局の本部で、オーケストラと合唱団の主要な演奏と放送用のホール「Studio 104」や、2014年に開設されたラジオ・フランスの常設アンサンブル専用のクラシック音楽ホール「Auditorium」などを擁し、建物の中心部は22階建ての高層タワーとなっています。全体図はwikipediaの写真からですがこんな感じ。モダン。

では、早速行ってみたいと思います(Googleマップで)。
セーヌ川のほとり、エッフェル塔も近くいい立地です。もともとはガス工場の跡地だったそう。1963年にシャルル・ドゴール氏によって正式に発足しました。

では、正面玄関に行ってみましょう。

はい。もうそれっぽいですね。この丸いフォルムに並んだ四角い窓。
では、この撮影現場を特定していきましょう。この内側に少しカーヴした壁面。敷地周りをドライヴしてみたいと思います(Googleマップで)。
そして一か所だけありましたあのカーヴ。

ちょっと拡大して仰ぎ見ちゃったりして。撮影場所はここでしょう。

写真のクレジットはFrancis Wolffとなっています。彼も同行したのでしょうか。確認してみますということで、Francis Wolffの写真集にオフショットが掲載されていました。向き的に左右反転させてますかね。

ちなみに、2016年にLarry Youngの”Larry Young In Paris: The ORTF Recordings”という未発表音源がリリースされています。
このタイトルにある「ORTF」ですが「Office de Radiodiffusion Télévision Française」の略ということでまさにこの場所なんですね。幾つかのレコーディングをまとめたものとなっていますが、注目すべきは1965年1月に録音された楽曲たち。Nathan Davis、Woody Shaw、Billy Brooksが参加しており、これは何を意味するかというとSABAに残されたNathan Davisの”Happy Girl”のメンバーなんですね。”Happy Girl”も65年の1月にドイツで録音されており、そこに参加していたドイツ在住のJimmy Woode以外はその後にフランスに行って録音を残してたってことですね。こうやって録音物で足取り辿れるのも楽しいです。

では今回の聖地は下のGoogleマップのリンクからどうぞ↓

メゾン・ド・ラ・ラジオ

以上、第5回のGoogleマップ聖地巡礼でした。

ちなみにGoogleマップ聖地巡礼シリーズの過去作の記事はこちら

Don Cherry / Don Cherry
Zoot Sims / The Modern Art of Zoot Sims
The Horace Silver Quintet / Song For My Father
Yusef Lateef / Lateef At Cranbrook

お付き合いいただきありがとうございました。