お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / ヤッシャ・ハイフェッツ
・タイトル /ハイフェッツ大全集
・型番 / 国内RCA/26LPボックス 品番SRA-7776~99
■参考買取価格 / ¥3,000
ヤッシャ・ハイフェッツ(1901年–1987年)は、20世紀を代表するヴァイオリニストであり、「ヴァイオリンの神様」とも称される存在です。リトアニア(当時ロシア帝国)のヴィリニュス出身で、3歳でヴァイオリンを始め、11歳で名教師レオポルド・アウアーに師事。若くして天才と称され、1917年にはニューヨークのカーネギー・ホールで華々しくアメリカ・デビューを果たしました。完璧なテクニック、明晰な音色、冷静沈着な演奏スタイルは多くの聴衆と音楽家を魅了しました。晩年は教育活動にも尽力し、後進の指導にも力を注ぎました。その膨大な録音は今も世界中で愛され続けています。
本日ご紹介のレコードは「ヤッシャ・ハイフェッツ /ハイフェッツ大全集」です。
ショパンのバラードには数多くの名演がありますが、ツィメルマンによる1987年録音は、まさにその中でも群を抜く決定盤といえるでしょう。繊細なタッチから生まれるクリスタルのように澄んだ美しい音色、そしてその色彩感の豊かさには心を奪われます。深く内省的な表現から、劇的に展開されるドラマティックな構成に至るまで、すべてが完璧にコントロールされており、ツィメルマンの演奏には祖国ポーランドへの愛情が滲んでいるように感じられます。
この録音では、見事なペダリングと細やかなタッチによって音が一切濁ることがなく、最弱音から最大音までの音の幅が豊かに感情を揺さぶります。特に静寂の中から現れる繊細な響きは、まるで洞窟の水面にしずくが落ちる瞬間のように神秘的で、聴く者を幻想的な世界へと誘います。終盤のコーダでも力まかせに進まず、あくまで音楽の流れを丁寧に描き切るその姿勢が印象的です。
ツィメルマンのバラードや舟唄における表現力は比類なく、多くのリスナーにとって最上の選択となることでしょう。録音もドイツ・グラモフォンならではの高いクオリティで、音響面でも極めて満足度の高い一枚です。「戦場のピアニスト」で使用された演奏を思い出し、再び映画を観たくなったという声があるのも納得の、歴史的名盤といえるでしょう。
本日ご紹介の盤は1975年にRCA RED SEALから発売された全集です。
本盤は大変希少な再初期盤で中古市場の価格は高騰傾向です。
セタガヤレコードセンターでは、ヤッシャ・ハイフェッツ /ハイフェッツ大全集を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥3,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。