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クラシックLPのラベル変遷 – 英HMV/EMI篇

オーディオ・マニア垂涎のステレオ初期盤、特に本国仕様の初版は現在でも人気のため高値で取引されております。
録音現場に立ち会ったエンジニアによって、より現場の音に近い状態でカッティングとプレスをされているためです。

とはいえ、どれがオリジナル・プレスか非常に分かりづらい。。。
英国重要レーベル解説、第2回目はHMV/EMIをご紹介します。

1930年代、英COLUMBIAと英GRAMMOPHONEが合併し出来たEMIですが、合併後もCOLUMBIAはモノラル【33CX】ステレオ【SAX】
HMVはモノラル【ALP】ステレオ【ASD】と別々のカタログナンバーでのリリースがしばらく続きます。
膨大な数のタイトル、そして時代時代で人気タイトルは何度も再販されてきました。
そのためラベルのデザインも多岐に渡り、どのラベルが初出かを把握するのもなかなか苦労するレーベルです。
それでも、特にステレオ盤の初出は素晴らしい優秀録音の目白押しということで、今も安定した高値を誇り入手も非常に困難です。

後年のSP期~モノラル期の復刻まで含めるとかなりのレーベルデザインとなりますが、今回も廃盤の観点で重要な初期プレスを中心に紹介していきます。

【モノラル期(型番ALP)】

フルトヴェングラーの交響曲群やオペラ作品集等のモノラル録音はこちらのラベルが初出となります。
後述するセミサークルラベルと似ていますが、カタログナンバーがALPかつ、半円ニッパー犬の上部分がやや広いのが特徴です。

【ステレオED1(型番ASD)】

カタログASD251から575番まではこちらのラベルになります。
センタースピンドルを横断する帯状の【STEREOPHONIC】と、外周を縁取る金環が特徴です。
ホワイト・ゴールド・ニッパーラベルと呼ばれております。
実際に目にすると分かりますが、高貴さを感じられる美しいデザインです。
このラベルのジョコンダ・デ・ヴィートとクーベリックによるバッハ/ヴァイオリン協奏曲は、存在こそ有名ですが、高額かつ、そもそも入手することが難しい1枚とされております。
そのためモノラル盤や東芝制作の日本盤、近年の復刻盤でさえもそこそこのお値段で取引されております。

【ステレオED2】

カタログナンバーASD3桁台後半、ASD2251より始まる4桁台前半はこちらのラベルが初出となります。
名称はセミサークル・ニッパー・ラベル。半円ニッパー・ラベルとも呼ばれたりします。
この時期も名録音のオンパレード。
デュ・プレとバルビローリによるエルガーのチェロ協奏曲、バルビローリによるシベリウスのフィンランディア等はこちらのラベルが初出となります。

【ステレオED3】

これ以降はこちらのラベルとなります。中央ニッパー犬の部分が白い四角の縁取りで囲まれ、切手の様に見えるためにスタンプ・ニッパー・ラベルと呼ばれており、複数のデザインがあるため、かなりややこしくなってきます。
まず上記中央のスタンプがカラーのラベル。ASD2470から2760まではこちらのラベルが初出となります。
この辺りからロシア国営レーベルのメロディア音源をリリースする際もASD型番を振っているため(今回は掲載しませんが別のデザインです)更にややこしくなります。

【ステレオED4】

ASD2800番台辺りからはこちらのラベルが初出とされています。中央のスタンプ・ニッパー部分がモノクロになり、ラベルの外周に白線が施されています。

【ステレオED5】

ASD3000番台後半より再びカラー切手に戻りますが、こちらは外周に白線が施されています。
イダ・ヘンデルとベルグルンドによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲(ASD3199)はこちらが初出となっております。

【ステレオED6】

80年代中盤頃以降のデジタル録音期のラベルはこちら。新ニッパー等と呼ばれております。ASD3000番台後半辺りの一部作品はこちらが初出となるようです。

ここからは廉価盤や復刻盤の一部ラベルをご紹介します。
時系列に関係なくご紹介します。ご了承下さいませ。

【HMV CONCERT CLASSICS(型番XLP,SXLP)】

モノラル期音源の復刻も目的としたレーベルですが、他レーベルの作品やこの型番独自で販売された作品もあり、全容を把握するのは容易では有りません。

【EMI/ANGEL ED1(型番SAN)】

EMI期に復活したANGELロゴが入ったラベルです。オペラ等の箱物に使われています。
第1期は上記のラベルで、中央に白いニッパーロゴ、下部にエンジェルロゴが入っています。
SAN規格の初版はこちらが初出の物が多く、高値で取引されることが多いです。

【EMI/ANGEL ED2】

EMI/ANGEL期の第2版とされています。
中央のニッパーが切手となり、エンジェルロゴが上部に移動されています。

【EMI/ANGEL ED3】

その後金地の部分が黄色へと変更となります。上記ラベルが初出となる作品の再販はこちらのラベルが多くなります。
カラヤンによるワーグナー/ニュールンベルグのマイスタージンガーはこちらが初出となります。

【HQS】

ステレオ録音の廉価復刻シリーズとなりますが、デュ・プレやホイトリンク弦楽四重奏団等、こちらが初出となる作品も存在ます。
朱色の【HIS MASTER’S VOICE】に小さい切手ニッパー、外周に白線が入っています。
ステレオ名盤のラベルがこれだった場合、ちょっと安っぽいデザインでガッカリするかもしれません。。。

まだ数種類ラベルのバリエーションがありますが、上記が英HMV/EMIの廃盤を見る上で重要なポイントとなります。
ED1が初出とされるタイトルは、ED2以降のラベル、すなわち再販盤となるとお値段が全く異なります。
特にバリエーションが多岐に渡るステレオ初期盤はより専門的な知識が必要となります。

クラシックのお買取のご相談は是非弊社にお任せ下さい。