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キング・クリムゾン / リザード

キング・クリムゾン / リザード

P-8049A/ROCK AGE花帯補充票付/ライナー付

買取価格50,000円

ジャンル: ロック

子ジャンル: プログレ

※相場は変動しますので記載している買取価格は買取保証額ではございません。

作品紹介

 メンバーが固定されず不特定多数の音楽家がロバート・フリップというかなり特異な個性と志向を持つ音楽家の元に集い、そのコンセプトに添ってそれぞれの技量を発揮した結果、フリップの思い描いた音楽世界がそこに出現する。キング・クリムゾンをわかりやすく説明すればこんな感じでしょうか。でも、それはこのグループの変遷を俯瞰して見た上での事で、当初はきっとそんな事は(フリップ自身も)考えていなかった事でしょう。音楽的に才能に溢れ、個人的野心もある若者たちが、その才能をぶつけ合うように作品創りにその才能を注ぎ込んだ結果、あっと驚きの素晴らしい作品が出来上がる、という事はよくありますが、そのような才能集団が、やがて個々の野心によりメンバーばらばらとなり解散という例は山ほどあります。反対に、特に傑出した才能の持ち主はいないのに一致団結して音楽キャラクターを創り上げてマンネリなんか気にせず活動を人気者になっちゃいました、という幸せなバンドもいます(例えばラモーンズなど)。

 キング・クリムゾンは前者の典型みたいなバンドにつき、早速もう『~宮殿』完成後に結成メンバーが複数脱退(それも、イアン・マクドナルドという、フリップ以上に作品創りに深く関わり活躍した男と、看板シンガーであるグレッグ・レイクが)。早くも解散か?という危機に直面。セカンド『ポセイドンの目覚め』は、既に脱退していたレイクが契約の関係上レコーディング参加して『~宮殿』に近いティストの作品を完成させますが、マクドナルド不在につき明らかにポテンシャル・ダウン。そんな中、正確なリズムキープでバンド表現を支えて来たマイケル・ジャイルズまでもがバンド脱退を表明し、残された演奏家はフィリップひとりという瀬戸際にまで追い込まれます。が、果たしてそれをフリップが危機と感じてたのか?はなかなか微妙なところ。彼はそのような状況の中で、ビジネス面にも才覚のあるところを見せて”名前が知れ渡ったバンド名だけ残してバンド・コンセプト終了”という決断を下し、フリップただ一人が司令塔となりコンセプチュアルな作品を創っていく(演奏家はゲストを招いてコンセプトに添った演奏をしてもらえば良い)という転換を決意し、それを見事に実行して行くのでした。
本作は、そんなコペルニクス的(少し大げさですが)転換を果たした”フリップ・ワンマン・ユニット”となった新生クリムゾンお披露目作品です。元々クラシック、そしてジャズを10代の頃から理論的、かつ技能的に学んで来たフィリップにつき、その方向性で新たなコンセプトを考えていったのは自然の流れで、キース・ティペットら、英国ジャズの俊英たちを集めた即興演奏と、クラシックのエッセンスを盛り込んだシンフォニックなポップ・ミュージックを組み合わせたような作品を完成させます。イエスから、ジョン・アンダーソンをゲストに招いたのも”クラシックそのものではない、でもシンフォニックな音楽”を創りたいというフリップのコンセプトに添った人選でしょう。この時点でも未だ『~宮殿』時代の音楽を期待する人は多く、そんな色眼鏡で本作は不評を買ったりしてる気もする不幸な作品という気配もありますが、この自由な創造性を羽ばたかせて飛び立ったフリップ主導のクリムゾンを愛するファンもまた少なからず生まれて行った事も事実です。この路線で更に完成度を高めていった素晴らしい作品、次作『アイランズ』と併せて是非お楽しみください。

 尚、メンバー・チェンジの連続が影響してか、やや人気に陰りをみせていた事が影響したのか、本作日本盤が発売されたのはイギリス発売の一年後でした。

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