お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / オットー・クレンペラー
・タイトル / バッハ:マタイ受難曲全曲
・型番 / 英COLUMBIA/SAXS2446,SAX2447-2450/3LP/ステレオ青銀ラベル
■参考買取価格 / ¥15,000
オットー・クレンペラー(Otto Klemperer, 1885-1973)は、ドイツ出身の指揮者・作曲家であり、20世紀を代表する巨匠のひとりです。特にベートーヴェン、ブラームス、マーラー、バッハなどの解釈で高い評価を得ました。
若い頃はグスタフ・マーラーの推薦を受けて活躍の場を広げ、ワイマール時代にはドイツの歌劇場で指揮者として名を馳せました。しかし、ナチスの台頭により1930年代にアメリカへ亡命。その後、戦後はヨーロッパに戻り、主にフィルハーモニア管弦楽団(後のニュー・フィルハーモニア管弦楽団)と共に多くの名演を残しました。
クレンペラーの指揮は、重厚かつ厳格なテンポ感が特徴で、特に晩年の録音は遅めのテンポながらも構築性の高い演奏として知られています。特にベートーヴェンの交響曲全集やバッハの《マタイ受難曲》、マーラーの交響曲録音は、現在でも多くのクラシックファンに愛されています。
本日ご紹介のレコードは「オットー・クレンペラー / バッハ:マタイ受難曲全曲」です。
録音は1960〜61年にロンドン、キングズウェイ・ホールで行われ、1962年に発売されました。
クレンペラーならではの壮大な世界観が表現された「マタイ受難曲」です。近年では珍しい大編成のオーケストラに加え、シュワルツコップやフィッシャー=ディースカウといった超一流の歌手陣を迎えた演奏は、濃密な陰影と力強い輪郭を持ち、非常にドラマティックな仕上がりとなっています。
些細なことにとらわれず、音楽の本質を見据えた豪快なパフォーマンスは、20世紀中期ならではの魅力といえるでしょう。バッハのこの偉大な作品に対し、クレンペラー自身もまた「偉大」という精神をもって真正面から向き合っています。彼の指揮は泰然としており、指揮者の存在すら感じさせないほど音楽そのものが神々しく流れていきます。しかし、その演奏は決して厳格すぎるものではなく、宗教に関心のない人でも壮大な物語として楽しむことができるでしょう。
まるで、重い十字架を背負いながら石段を登るキリストの足音が聴こえてくるかのような、圧倒的な表現力。このような演奏を生み出せる音楽家は、もう二度と現れないかもしれません。
本日ご紹介の盤は英COLUMBIAから1962年に発売された青銀ラベル盤です。
青銀ラベル盤は初回プレスまたは初期プレス盤である可能性が高く、プレス工場やマスタリングの環境から高音質で知られています。
後年の黒銀ラベルや黒赤ラベルといった再発盤よりも高価で取引されています。
発売から半世紀以上経過し入手するのは大変難しいため中古市場の価格は高騰しています
セタガヤレコードセンターでは、オットー・クレンペラー / バッハ:マタイ受難曲全曲を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥15,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。