お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / レオン・フライシャー
・タイトル / ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
・型番 / 英COLUMBIA/SAX 2534/ステレオ/セミサークル初出ラベル
■参考買取価格 / ¥5,000
レオン・フライシャー(Leon Fleisher、1928年〜2020年)は、アメリカの名ピアニスト、指揮者、教育者です。10歳でカーティス音楽院に入学し、アルトゥール・シュナーベルに師事。20世紀を代表するピアニストのひとりとして活躍し、特にジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団との録音は名盤として知られています。
1960年代に右手の不調により両手の演奏を断念しましたが、その後は左手のための作品に取り組み、教育や指揮活動にも力を注ぎました。晩年には治療により両手の演奏が可能となり、再びピアニストとして復帰。深い音楽性と人間味あふれる演奏で、長年にわたりクラシック音楽界に大きな影響を与えました。
本日ご紹介のレコードは「レオン・フライシャー / ブラームス:ピアノ協奏曲第2番」です。
レオン・フライシャーが難病を患う前、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団と共に録音したブラームスのピアノ協奏曲第1番とベートーヴェンの第2番は、20世紀のピアノ協奏曲録音の中でも高く評価される名盤です。特にブラームスの第1番は、フライシャーとセルの黄金コンビを代表する演奏として知られています。
セルはこの若きピアニストを深く信頼し、愛情を持って接していたとされ、演奏にもその信頼関係が表れています。フライシャーの演奏は、ゼルキンのような強い個性や陰影は控えめなものの、端正で詩情に富んだ、誠実な音楽づくりが印象的です。過剰な力感はなく、自然でしなやかな表現が魅力です。
特に注目すべきはオーケストラの素晴らしさで、セルの指揮によるクリーヴランド管は引き締まった音と美しいバランスを聴かせます。第3楽章でソロを聴かせるチェロのジュールズ・エスキンも名演で、まるで二重協奏曲のような対話が展開されます。終楽章では、ピアノとオケがともに精緻で明晰なアンサンブルを披露し、勢いに流されることのない緻密な演奏が印象的です。
録音はクリーヴランドのセヴェランスホールでのセッションで行われ、ステレオ感に優れながらも過度なホールトーンはなく、今聴いても十分な臨場感と音質が楽しめます。
ベートーヴェンでは、古典派らしい緊張感と推進力に満ちたピアニズムを展開しており、セルの明快な指揮と相まって、爽快な演奏を実現しています。ブラームスでは重厚さと豊かな表現力が際立ち、特に第1番冒頭の迫力や第2番でのフライシャーの奮闘も聴きどころです。ピアノとオーケストラの理想的な協演が堪能できる、まさに不朽の名演といえるでしょう。
本日ご紹介の盤は1964年にColumbiaから発売されたUKステレオ盤です。
1962年にEpicからUS盤が発売されており、こちらが初版ではありますが、本盤は初のステレオ盤のため大変希少で中古市場の価格は高騰傾向です。
セタガヤレコードセンターでは、レオン・フライシャー / ブラームス:ピアノ協奏曲第2番を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥5,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。