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ピンク・フロイド / サイケデリックの新鋭

ピンク・フロイドのレコード

ピンク・フロイド / サイケデリックの新鋭

OP-8229/赤盤/ペラジャケ ※緑矢印帯補充票付…400,000円

買取価格60,000円

ジャンル: ロック

子ジャンル: プログレ

※相場は変動しますので記載している買取価格は買取保証額ではございません。

作品紹介

 ピンク・フロイド(PINK FLOYD)は、その前身バンドを同じ大学に建築工芸を学んだ三人(ロジャー・ウォーターズ、リチャード・ライト、ニック・メイソン)が組んで音楽活動を開始した事がバンド活動の原点で、もっと本格的にプロを目指し音楽活動をというタイミングで、ロンドンの芸術大学に学んでいたシド・バレットを誘いピンク・フロイドという新バンドを名乗り活動をスタートさせて行きます。建築工芸を進路に選んだ気の合う仲間+1(のちよっと異質な男)という編成。

 本作はこのバンドのファースト・アルバムですが、一番最後に加わったバレットの志向をかなり強く反映した作品です。同時代に、全く別の場所(ニュー・ヨーク)でヴェルベット・アンダーグラウンドという集団が、同じようにドラッグが齎す幻想や幻影をテーマとしたような実験音楽をやっていましたが、異質な志向と感性を持つ音楽家の集合体というところまでは同じですが、ヴェルヴェット~のそれがどこかでドラッグに対して醒めた視点も持ち込まれ、それをクールに眺めて観察しているような雰囲気をバンド全体で感じさせるの対し、こちらはLSDが見せてくれる幻想世界を、自ら実験台として覗き込んだ世界をモチーフに描いた絵を、理知的な三人が丹念な表現で音楽作品に仕上げたというような感触があり随分質感が異なります。ヴェルヴェット~の音楽がどこかふてぶてしい強靭さを持っているのに比べ、こちらは壊れやすい繊細なガラス工芸みたいな手触りがあるような作品です。それだけに、実は抵抗なくうっとりと眺めていられる(聴けてしまう)という怖さもあるわけですが(その世界に引き込まれてしまう、ような怖さ)。結果としてシド・バレットは、LSFで覗き見た世界から帰還出来ず、作品の中だけではなくいつしか自分自身がその世界の中に引き込まれいくように、それこそ帽子が笑っている幻想世界の住人となりバンドを離れて行きます。

 残された三人はバレットがもう帰って来れない事を理解し、建築工芸を学んだ学友三人の指向性を発揮した構築的な音楽を創り上げて行くスタイルへの転換を図って行く事でバンドを存続させる道を選択。そこに理知的で哲学的なギターをプレイするデヴィッド・ギルモアを加えたのは、もうバレットと共に創り上げた世界が、幻想である事を理知的に悟った彼らの気持ちの現れでもあったんかも知れません。ギルモアの緻密なプレイが加わった事で構造的でありながらブルージーで浮遊感もある独自の音楽世界をバンドは創造する事に成功、次々とアルバムを大ヒットさせて行きます。彼らが好んでアルバム・ジャケット・デザインに起用したヒプノシスというデザイン・チームは、現実世界の構造物や動物、自然現象を、まるで非現実の世界の中で再構築するようなデザインを得意とするアート集団ですが、そこにはLSDが見せてくれる幻惑や歪みのようなものは表現されていませんでした。そんなアート・ワークが教えてくれもするバンドの音楽の変遷を感じ取っていただく為にも、本作を含めこのバンドの作品は、LPサイズの方をお勧めしたいですね。

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