メニュー

,

ザ・キュアー / キス・ミー、キス・ミー、キス・ミー

キュアーのレコード

ザ・キュアー / キス・ミー、キス・ミー、キス・ミー

33MM 0566~7/帯/ライナー付/2LP/見開き

買取価格4,000円

ジャンル: ロック

子ジャンル: ロック-80〜90年代(国内盤)

※相場は変動しますので記載している買取価格は買取保証額ではございません。

作品紹介

 何かと奇行や問題発言(あのデヴィッド・ボウイに対しかなり失礼な暴言を吐いた事もある)も多いロバート・スミスですが、この男の全く普通ではない感性と美意識そのものがザ・キュアーというバンドそのもの(のキャラクター)を形作っており、その気持の浮き沈み、というか、その時の気分次第でこのバンドの音楽はティストがかなり異なります。

 初期の作品に於いては全く抑揚のない鬱なヴォーカルを何とも屈折したギター・サウンドを軸にしたひたすらミニマルなサウンドと歌で聴くものをどんどん灰色の世界に引きずり込んでいくような音楽を展開し、この病的に鬱な音楽からカタルシスを味わう事が出来ずに、”あ、これはぼくには(私には)無理だわ”と投げ出してしまった普通のロック・ファンもさぞ多かった事でしょう。ところがこのバンド(と言うかロバート・スミス)はこの後結構驚くべき変貌を遂げ、初期のミニマルな美学をひたすら追い求めた路線から、リズム・ボックスとシンセサイザーを導入したサイケデリックな路線に転じ(作品で言うと4作目『ポルノグラフィー』)、一点してダンサンブルでポップでファンタジックな音世界に突入したり(その中でも「ラブキャッツ」には驚いた人も多いのでは?)と、まるで気まぐれな猫の目のごとく表現を変えて行きます。この変貌には、かなりの変わり者とは他の音楽家からの影響(特にポスト・ロックという音楽ジャンルを確立させたワイヤーからは影響を受けたと公言しています)、そして共に活動したスージー&ザ・バンシーズなどから触発された部分も大きのではと思います。決してコミュ障の引きこもり男、てわけではないようです。

 本作はそんな風にして過去に脱ぎ捨てて来た古い衣装をまた引っ張り出して全部厚着で着込んで、妙にゴージャスな世界を創り上げちゃったような作品です。既にCD収録時間を念頭にしたアルバム制作につき、CD発売もされてますが、この頃は未だアナログLPも同時に発売される事も多く海外でのLP発売もあって、本作も国内盤でめでたくLP発売されてます。最初からLP2枚を念頭に制作されたわけではなく、CD収録時間を全部納めるのには2枚のLPが必要だったというものですね。そして、妙にゴージャス感をまとい、なにか躁鬱感すら感じさせる本作が過去のどのアルバムよりもヒットして、世界中でこのバンドのファンが急増するという成功をもたらします。猫の目のように気まぐれな感じもするロバート・スミスですが、それが幸いしたという事なんでしょうね。

関連記事

ジャンルから探す

タグから探す

こちらのタグは設置予定です。
今しばらくお待ちください。