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ヨウラ・ギュラー / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31&32番

ヨウラ・ギュラー / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31&32番

仏ERATO/ステレオ/紺ラベル 品番STU70797

買取価格10,000円

ジャンル: クラシック

子ジャンル: クラシック-器楽

※相場は変動しますので記載している買取価格は買取保証額ではございません。

作品紹介

お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。

さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。

・アーティスト / ヨウラ・ギュラー
・タイトル / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31&32番
・型番 / 仏ERATO/ステレオ/紺ラベル 品番STU70797
■参考買取価格 / ¥10,000

ヨウラ・ギュラー(Youra Guller、1895年–1980年)は、フランス生まれのピアニストで、ロシア系ユダヤ人の家系に育ちました。若くしてパリ音楽院を首席で卒業し、端正な音楽性と知的な解釈で注目を集めました。戦間期に活躍しましたが、体調不良や戦争の影響で長らく演奏活動を中断。戦後に復帰し、晩年にはベートーヴェンやショパンの名演を残しました。深い精神性と孤高の表現で、知る人ぞ知る伝説的存在として今も語り継がれています。

本日ご紹介のレコードは「ヨウラ・ギュラー / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31&32番」です。
ユーラ・ギュレによるベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタの演奏は、円熟の極みともいえる素晴らしさがあります。ゆったりと歌い上げる場面でさりげなく滲み出る深いニュアンスと豊かな表現力には感服せざるを得ません。技巧の高さだけでなく、そこに込められた含蓄や慈しみ、そして愛に満ちた表現が心に迫ってきます。
1973年録音ながら音質も良好で、自由で伸びやかな演奏はまるで天空に舞い上がるような解放感をもたらしてくれます。ドイツ系のピアニストに多い重厚なスタイルとは異なり、歌心に富み、軽やかで色気すら感じさせるユニークで唯一無二の演奏です。収録曲が2曲だけなのが惜しまれるほどで、もし全集があったなら…と夢想してしまいますが、この録音があるだけでも大変ありがたいと感じています。
70歳を過ぎて録音された演奏ですが、しっかりとした技巧と、遅めながらも芯のあるテンポで、ベートーヴェンらしい迫力と美しさが見事に両立されています。テンポの変化も音楽の流れに即しており、恣意的な印象はありません。古い時代の大ピアニストにありがちな過剰な個性や時代遅れのスタイルとは異なり、現代に通じる新鮮な魅力を持っています。
演奏スタイルや使用する版の違いは演奏の価値を左右する要素ではありますが、それ以上に重要なのは、演奏が聴き手に何を訴えてくるかだと思います。1970年代までは、交響曲でも補強された版が一般的に使われており、カラヤンやフルトヴェングラー、ベームらの名演もそうした版に基づいています。だからといって、それらの価値が低いとは言えませんし、現代の演奏と単純に優劣を比べるべきではないと感じます。
結局のところ、演奏の価値はスタイルや版の問題ではなく、聴き手の心にどれだけ深く届くかにあると強く感じています。ピアノが好きな方には、ぜひこの演奏を聴いていただきたいと思える、味わい深く広がりのある名演です。


本日ご紹介の盤は1973年にEratoから発売されたフランス盤です。
復刻盤も発売されていますが、初期盤は大変希少なため中古市場の価格は高騰傾向です。

セタガヤレコードセンターでは、ヨウラ・ギュラー / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31&32番を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥10,000とさせていただいております。

大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。

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