お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / シャーンドル・ヴェーグ
・タイトル / モーツァルト:セレナードとディヴェルティメント
・型番 / 独CAPRICCIO/47 411 4/ステレオ/LP末期1990年作
■参考買取価格 / ¥12,000
シャーンドル・ヴェーグ(Sándor Végh)は、ハンガリー出身の名ヴァイオリニスト・指揮者であり、20世紀室内楽界における重要人物の一人です。リスト音楽院で学び、名手ユージン・イストミンやバルトークとも関係を持ち、1940年代にはヴェーグ四重奏団を結成し、ベートーヴェンやシューベルトなどの録音で高い評価を受けました。
のちに指揮者としても活躍し、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団を率いてヨーロッパ各地で名演を展開。老境に差しかかってもなお、燃えるような音楽への情熱と研ぎ澄まされた解釈は健在で、特にモーツァルトやハイドンの演奏には透明感と人間味が溶け合う魅力がありました。
決して派手ではないものの、音楽の真髄をつかむような静かで深い響きを持つ、孤高の音楽家です。
本日ご紹介のレコードは「シャーンドル・ヴェーグ / モーツァルト:セレナードとディヴェルティメント」です。
モーツァルトを愛するすべての方におすすめしたい、豊かな表情ときびきびとしたアンサンブルが魅力のボックス・セットです。演奏を手がけるのは、モダン楽器による小編成オーケストラ、モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ(現カメラータ・ザルツブルク)。このアンサンブルの音楽作りには、名匠シャーンドル・ヴェーグの存在が大きく影響しています。ヴァイオリニストとしてだけでなく、弦楽四重奏や室内管弦楽団での経験も豊富な彼は、1971年から亡くなる1997年までザルツブルク・モーツァルテウム音楽院で後進の指導にも力を注ぎました。
彼の厳格な指導法には賛否ありましたが、多くの熱心な門下生を育てたことも事実で、そうした弟子たちによって構成されたこのオーケストラの演奏には、まさにヴェーグの音楽観が生きていると感じさせる一体感があります。特にK.137では、第1楽章と第2楽章を入れ替えて「急・緩・急」の構成にするなど、演奏実践に基づいた独自の解釈も聴きどころのひとつです。
演奏は気品と生命力に満ち、しなやかなフレージングと生き生きとしたリズム感で、まさにモーツァルトの真髄を体現しています。録音も優秀で、細部まで明瞭ながら、全体のバランスも見事。ボスコフスキー率いるウィーン・モーツァルト・アンサンブルの優雅な演奏をも凌駕する、珠玉の名演といえるでしょう。
CD盤が1991年や2004年にでていますが、レコードは本盤のみで人気は圧倒的です。
希少なため、入手するのは大変難しく中古市場の価格は高騰しています
セタガヤレコードセンターでは、シャーンドル・ヴェーグ / モーツァルト:セレナードとディヴェルティメントを買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥12,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。