お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / ルッジェーロ・リッチ
・タイトル / チャイコフスキー&ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
・型番 / 英DECCA/SXL 2279/ステレオ/ED1ラベル(ラベル左上に”ORIGINAL RECORDING BY~”記載)
■参考買取価格 / ¥8,000
ルッジェーロ・リッチ(Ruggiero Ricci, 1918年7月24日 – 2012年8月6日) は、アメリカ出身の伝説的ヴァイオリニスト。イタリア系の家庭に生まれ、天才少年としてデビューを果たした後、20世紀を代表する技巧派ヴァイオリニストとして世界的に活躍しました。
リッチの名を一躍高めたのは、パガニーニの「24のカプリース」全曲を世界で初めて録音(1947年) したこと。この難曲を正確かつ情熱的に演奏しきったことで、彼は「パガニーニ弾き」としての名声を確立しました。
その後もバロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、情熱的な音色と鋭い技巧、そして音楽に対する真摯な探究心で知られます。使用する楽器は様々でしたが、ストラディヴァリウスやグァルネリ・デル・ジェスなどの銘器を弾きこなしてきました。
また教育者としても活動し、インディアナ大学やジュリアード音楽院などで後進の指導にも尽力。晩年まで演奏を続け、その音楽に対する情熱は生涯尽きることがありませんでした。
リッチの演奏は、情熱・正確さ・深い音楽理解が三位一体となった、まさにヴァイオリン芸術の結晶といえるでしょう。
本日ご紹介のレコードは「ルッジェーロ・リッチ / チャイコフスキー&ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲」です。
シルクのように滑らかで色彩豊かな音色が見事に再現されたアナログ盤です。ナタン・ミルシテインと並び称されたヴァイオリニスト、ルッジェーロ・リッチによるこのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、彼の輝かしいテクニックとあたたかな音色が余すことなく刻まれた名演といえるでしょう。ロシア的な抒情をたたえたこの人気曲に、リッチならではの美音と華やかな技巧が存分に注ぎ込まれています。
初期盤ならではの魅力は、録音当時の空気感をそのまま体験できることにあります。アナログ盤特有の引き締まった密度のある音と豊かな響きは、ただの記録を超えて、まさに音楽の「手触り」を感じさせてくれます。高域は広がりのある空間に光を放つような音色が漂い、低域はしっかりとした厚みと重厚感をもって聴き手に迫ってきます。オーケストラの各パートも立体的に浮かび上がり、対旋律の細部に至るまで明瞭に描かれています。
まるでモノクロ写真ではなく、鮮やかな色彩に満ちた一枚絵を見るような体験。手仕事によって生まれたような繊細な余韻が、聴くたびに新たな魅力を届けてくれる珠玉の一枚です。
本日ご紹介の盤は1961年9月にDeccaから発売されたUK盤LPです。同年にスペイン盤やオーストラリア盤も発売されていますが、本盤はその中でも1番人気で中古市場の価格は高騰傾向です。
セタガヤレコードセンターでは、ルッジェーロ・リッチ / チャイコフスキー&ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥8,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。