お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / クラウディオ・アラウ
・タイトル / ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
・型番 / 英COLUMBIA/SAX 2466/ステレオ/青銀ラベル
■参考買取価格 / ¥10,000
クラウディオ・アラウ(Claudio Arrau、1903年〜1991年)は、チリ出身の世界的ピアニストです。5歳でチリ大統領の前で演奏するなど早くから才能を発揮し、ドイツ留学を経て国際的に活躍。リスト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスなどロマン派の作品を中心に、重厚で哲学的な解釈を持ち味とし、深い精神性を湛えた演奏で知られています。生涯にわたって膨大な録音を残し、20世紀を代表するピアニストのひとりとして今も高く評価されています。
本日ご紹介のレコードは「クラウディオ・アラウ / ブラームス/ピアノ協奏曲第2番」です。
クラウディオ・アラウによるブラームスのピアノ協奏曲第2番のライヴ録音は、彼の豊かなキャリアの中でも特に貴重な記録として高く評価されています。アラウはキャリア初期から独墺系レパートリーの名手として知られており、ブラームスは彼のロマン派レパートリーの中心的存在といえる作曲家のひとりです。
このライヴは、アラウが還暦を迎えた1960年代のグラスゴーでの公演で、名指揮者アレクサンダー・ギブソン指揮による的確なサポートと相まって、スタジオ録音では得られない高揚感と集中力に満ちた演奏となっています。彼の堅実な技巧はもちろん健在でありながら、ライヴならではの緊張感が加わり、非常に聴き応えのある仕上がりとなっています。
特に注目すべきは第2楽章の終盤で、普段は「悠然と内側から自然に白熱していく」ようなテンポ感を持つアラウが、この場面では意外なほどの勢いで音楽を推し進めており、その力強さはまるでポリーニを思わせるほどです。テクニックの冴えは、かつてベートーヴェンの《ハンマークラヴィーア・ソナタ》のフィナーレで見せたテンポ感覚を彷彿とさせるものがあります。
さらに第3〜第4楽章では、ブラームスが持つ「イタリアに憧れる北ドイツ人のメランコリックなロマン主義」を見事に表現しきっており、まさに名盤と呼ぶにふさわしい内容です。余白に収録されたシューベルトの作品もまた絶品で、アラウの詩情あふれる一面を堪能できます。ロマン派の奥深さを味わえる、非常に価値の高い一枚です。
本日ご紹介の盤は1974年にOrionから発売された盤です。
再発もなく初期盤は大変希少なため中古市場の価格は高騰傾向です。
セタガヤレコードセンターでは、クラウディオ・アラウ / ブラームス/ピアノ協奏曲第2番を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥10,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。