お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / ウィルヘルム・バックハウス
・タイトル /ベートーヴェン /ピアノ・ソナタ全集
・型番 / 英DECCA/ED4ラベル(ラベル中央左側に五線譜)/英国プレス 品番SXLA 6452-61
■参考買取価格 / ¥12,000
ヴィルヘルム・バックハウス
(1884–1969)は、ライプツィヒに生まれ、後にスイスへ帰化したドイツの名ピアニストです。幼少期から才能を示し、ライプツィヒ音楽院で学んだ後、リスト直系の弟子であるオイゲン・ダルベールに認められ指導を受けました。1900年にデビューし、1905年にはパリのルビンシュタイン国際コンクールで優勝、若き日のバルトークを抑えての快挙でした。録音史にも名を刻み、1909年には世界初となる協奏曲録音のソリストを務めました。戦中はナチスに利用されたことで戦後の活動に影響を受けましたが、1946年にスイスに帰化し、1954年にはアメリカ再訪とともに日本でも演奏を行い高く評価されました。晩年まで演奏に情熱を注ぎ、1969年の演奏会後に亡くなるまで巨匠として活躍しました。作曲や大幅な編曲は行わず、作品への誠実な姿勢でも知られています。
本日ご紹介のレコードは「ウィルヘルム・バックハウス /ベートーヴェン /ピアノ・ソナタ全集」です。
録音から半世紀を経た現在も“定番”として世界中で聴き継がれている名演奏です。1909年に史上初のピアノ協奏曲録音を残すなど、演奏史・録音史の両面で欠かせない存在であるバックハウスは、数多くのピアニストが挑んできたソナタ全集の中でも、最も“ドイツ的”なベートーヴェン像を示した一人といえます。無造作に見えるタッチの背後には深く練られた解釈があり、剛毅で凛とした音はケンプの温かみとは対照的です。重厚で引き締まった音の粒が一つ一つ明確に響き、冷たさとは無縁の力強い温かさを放ちます。特に終盤3作の圧倒的な迫力は息をのむほどで、駆け上がるような疾走感に聴く者を没入させます。数ある全集の中でも異質の輝きを放つ、まさに特別な存在といえる全集です。
本日ご紹介の盤は1970年にDeccaから発売されたUK盤です。
同時期にドイツ盤やスペイン盤、韓国盤などが発売されていますが、その中でも評価が高いのが本盤となります。
中古市場の価格は高騰傾向です。
セタガヤレコードセンターでは、ウィルヘルム・バックハウス /ベートーヴェン /ピアノ・ソナタ全集を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥12,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。