お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / ヴィクトリア・ムローヴァ
・タイトル / チャイコフスキー,シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
・型番 / 蘭PHILIPS/416 821-1/稀少LP末期作/デジタル録音
■参考買取価格 / ¥10,000
ヴィクトリア・ムローヴァ(Viktoria Mullova) は、ロシア出身のヴァイオリニストで、卓越したテクニックと幅広いレパートリーを誇る名演奏家です。1969年にソ連(現ロシア)のジュコフスキーで生まれ、モスクワ音楽院で学びました。1980年のシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールで優勝し、1982年にはチャイコフスキー国際コンクールでも優勝を果たし、世界的な注目を集めました。
しかし1983年、西側での自由な音楽活動を求めて、フィンランドでソ連を離れ、その後西側に亡命。これにより、彼女のキャリアは大きく変わり、ヨーロッパやアメリカを拠点に活動するようになりました。クラシックの伝統的なレパートリーに加え、バロック音楽のピリオド奏法や、ジャズやワールドミュージックなど異ジャンルとの融合にも意欲的に取り組んでいます。使用する楽器は、ストラディバリウス「ジュールズ・フォーク」と、バロック音楽用のグアダニーニです。
精緻な音楽性と表現力の豊かさで、現代クラシック界を代表するヴァイオリニストの一人として活躍を続けています。
本日ご紹介のレコードは「ヴィクトリア・ムローヴァ / チャイコフスキー,シベリウス:ヴァイオリン協奏曲」です。
録音は1985年10月にボストンで行われ、1986年にPhilipsからリリースされました。
ムローヴァが1980年のシベリウス国際ヴァイオリン・コンクール、1982年のチャイコフスキー・コンクールで優勝し、世界的に注目を集めていた時期に録音された一枚です。ムローヴァならではの澄んだ美しい音色が際立ち、小澤征爾の指揮によるボストン交響楽団の繊細な伴奏とともに、心を打つ名演を生み出しています。
ムローヴァのヴァイオリンは、従来のロシア人奏者のイメージを覆す繊細さと透明感に満ち、特に高音の伸びやかさが印象的です。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では、クールでありながら情感豊かな表現を聴かせ、第三楽章では驚異的な超絶技巧を披露。シベリウスの協奏曲では、フィンランドの厳しい冬景色を見事に描き出しています。
チャイコフスキー・コンクール優勝後もロシア国内での活動が制限されたムローヴァですが、亡命によってその才能を存分に発揮し、世界に実力を示しました。録音も優秀な一枚です。
発売から30年以上経過し再録盤はあるものの、オリジナル盤の良い状態のものを入手するのは大変難しいため中古市場の価格は高騰しています。
セタガヤレコードセンターでは、ヴィクトリア・ムローヴァ / チャイコフスキー,シベリウス:ヴァイオリン協奏曲を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥10,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。