お世話になります。セタガヤレコードセンター、買取担当です。
さて、本日も最近買取させていただいたレコードの中から厳選して一枚をご紹介させていただきます。
・アーティスト / カルロ・マリア・ジュリーニ
・タイトル / モーツァルト:フィガロの結婚
・型番 / 英COLUMBIA/SAX 2381~4/4LP/ステレオ青銀ラベル
■参考買取価格 / ¥20,000
カルロ・マリア・ジュリーニ(Carlo Maria Giulini, 1914–2005)は、イタリア出身の名指揮者で、20世紀のクラシック音楽界において深い敬愛を集めた存在です。演奏における深い精神性と詩的な表現、そして完璧な音楽構築力で知られ、とりわけベートーヴェン、ブラームス、マーラー、ブルックナー、そしてヴェルディなどの作品において真価を発揮しました。
若き日はヴァイオリニストとしてキャリアをスタートさせましたが、第二次世界大戦後に指揮者として頭角を現します。ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団、シカゴ交響楽団、ロサンゼルス・フィル、ウィーン・フィルなどと数々の名演を残し、スタジオ録音でも名盤が多く、特にEMIやDGからの録音は今も高く評価されています。
本日ご紹介のレコードは「カルロ・マリア・ジュリーニ / モーツァルト:フィガロの結婚」です。
録音は1959年9月と11月にロンドンのキングズウェイ・ホールで行われ、1961年に発売されました。
モーツァルトの《フィガロの結婚》には数多くの録音がありますが、これほど軽やかで爽やかな演奏は他に類を見ません。シュヴァルツコップやヴェヒターといったウィーン系の歌手に加え、モッフォ、コッソット、カップッチルリといったイタリア系の歌手たちを見事に統率・融合させた、若きジュリーニの指揮が光る名演です。同じジュリーニの《ドン・ジョヴァンニ》と並び、私にとっては常に第一に手が伸びる録音のひとつです。
モッフォやコッソット、カップッチルリといった後に個性的な表現で知られる歌手たちが、ここでは若々しく透明感のある歌唱を披露しているのも大きな魅力でしょう。また、ジュリーニの見事な指揮によってオーケストラは一糸乱れぬアンサンブルを聴かせており、細部にわたる丁寧な再現は、後年の《ファルスタッフ》の録音にも通じるジュリーニならではの姿勢を感じさせます。
テンポは比較的速めながら、最後まで一気に聴かせる力があるのは、この丁寧な音楽作りにこそ理由があるのではないでしょうか。ただし、オーケストラに豊かな陰影や感興を求める方には、やや物足りなく感じられるかもしれません。そうした部分を補って余りあるのが、シュヴァルツコップの伯爵夫人です。第2幕冒頭や第3幕のアリアでは、彼女の歌が始まると同時に、作品に情緒が一気に満ちてくるのを実感できます。さすがの名唱と言えるでしょう。
本日ご紹介の盤は英COLUMBIAから1961年に発売された青銀ラベル盤です。
青銀ラベル盤は初回プレスまたは初期プレス盤である可能性が高く、プレス工場やマスタリングの環境から高音質で知られています。
後年の黒銀ラベルや黒赤ラベルといった再発盤よりも高価で取引されています。
発売から半世紀以上経過し入手するのは大変難しいため中古市場の価格は高騰しています
セタガヤレコードセンターでは、カルロ・マリア・ジュリーニ / モーツァルト:フィガロの結婚を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥20,000とさせていただいております。
大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤレコードセンターにお声掛けくださいませ。