レコードのジャケットに写っている場所へGoogleマップを使ってお手軽に行ってみよう!というコロナ禍においてのお手軽旅行、ジャズ・レコード聖地巡礼シリーズの第6回をやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
●アルバム Elis Regina / Elis Regina In London
ブラジリアン・シンガーElis Reginaの1969年のロンドン録音作です。所属レーベルがPhilipsということで、ブラジルでの人気を受けてヨーロッパのマーケットを狙って制作されたために、本国ブラジルではリリースされませんでした(80年代にブラジル盤もリリースされました)。68年にカンヌでの成功を皮切りにヨーロッパを巡るツアーは大規模なものとなり、翌年の69年にイギリスでセッティングされた録音です。クレジットはアレンジャーのPeter Knightのみのビッグバンド。冒頭の「Corrida de Jangada」から、「Se Voce Pensa」「Zazueira」「Upa, Neguinho」といったMPBクラシック、そして欧州マーケットを意識した「Watch What Happens」なども収録しています。
Elis Regina / Corrida de Jangada
●聖地 トラファルガー広場
今回の聖地は、ロンドンのウエストミンスターにある広場「トラファルガー広場」です。Elisが鳩に囲まれ笑顔。鳥恐怖症(オーニソフォビア)の方にとっては驚愕の写真かもしれません。1805年のトラファルガーの海戦における勝利を記念して造られました。中央には噴水のある広場、奥には1824年に設立されたナショナル・ギャラリーが控えています。
では、早速行ってみたいと思います(Googleマップで)。
テムズ川のほとり、マップ内にバッキンガム宮殿、大英博物館、ロンドン塔が収まってますね。
トラファルガー広場に到着です。工事してますね。残念。でもいい天気。
では、『Elis Regina In London』のジャケットの撮影現場を特定していきましょう。
工事のパテーションが行く手を遮ります…。ただ、この階段を登った上でしょうか。
階段登ってみましたがちょっとナショナル・ギャラリーが近すぎます。それとElisの背後にある短い3本の柱がありません。鳥瞰に切り替えて短い柱を探してみましょう。
柱らしきものですが階段を登った上の横のスペースにあります。こちら側かと思っていたのですが、入り口側にもありますね。ナショナル・ギャラリーも近すぎましたし入り口側に回ってみます。
こっちですね!よく見るとジャケットに写るElisの後ろには、噴水とその奥の騎馬像の台座(ジョージ4世の騎馬像とのこと)も見えますね。ということで撮影場所はここでしょう。ちょっと圧縮気味ですから望遠レンズとか使ったかもですね。
さて、今回はもう1つのジャケットもご紹介です。
The SkatalitesのメンバーでもあったオルガニストのJackie Mittooの同じく『In London』というアルバムです。
●Jackie Mittoo / In London
Elisの『In London』の撮影場所から左90度回頭すると…ライオン像。
こちらがJackie Mittoo 『In London』のジャケット撮影場所です。この広場にはネルソン提督の記念柱の周りに4頭のライオン像があります。調べてみたところ細部がわずかに異なるのみで(たてがみの流れや顔の傾き具合)、ちょっとこの写真からはどのライオンかの判定は難しそうです。柱の台座のレリーフも見えず、背景も白抜きにされてしまってますし。
ライオン像に乗ってはいけません。あぶないです。
ちなみにこちらがJackie Mittoo『In London』の裏ジャケ。やっぱり鳩がいっぱいいます。
気になりましたので余談になりますがトラファルガー広場の鳩についてちょっと調べてみました。
2000年まではどうやら鳩のエサ売りの屋台が認可を得て営業していたようです。鳩のふん害により2001年にエサ売りが禁止され、エサやりに対しての罰金刑の導入、タカを使った鳩の撃退などを行い、現在はその数を減らしたそうです。
鳩にエサをあげてはいけません。
では今回の聖地は下のGoogleマップのリンクからどうぞ↓
以上、第5回のGoogleマップ聖地巡礼でした。
ちなみにGoogleマップ聖地巡礼シリーズの過去作の記事はこちら
① Don Cherry / Don Cherry
② Zoot Sims / The Modern Art of Zoot Sims
③ The Horace Silver Quintet / Song For My Father
④ Yusef Lateef / Lateef At Cranbrook
⑤ Larry Young / Into Somethin’
お付き合いいただきありがとうございました。