FACT 10/UKオリジナル/テクスチャ―ジャケット/PORKY刻印
買取価格10,000円
ジャンル: ロック
子ジャンル: ロック-60〜70年代(輸入盤)
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ピーター・ザヴィルがデザイン・ディレクターを務めた<ファクトリー・レコード>。そのザヴィルが監修した設立当初のレコードには、大量生産・大量消費に対する拒絶のような精神が込められていました。そして、ファクトリーのアーティストたちの音楽もまた音楽産業資本により人工的に創られた産業ロックに対する強烈な拒絶反応と、自分たちが求める音楽を自分たちの手で創り上げるというインディーズ精神に溢れていたと感じます。
1979年。そんなファクトリーからLP発売されたこのバンドのファースト・アルバム。少しザラザラした紙質の上に幾何学模様が浮き出るように描かれた、簡単に大量生産や複製コピーが難しい装丁のパッケージにくるまれて世の中に登場しています。
初回盤だけでなく、ファクトリーがまだ流通を他社に委ねていない時のアンコール・プレス盤が英国で81年、82年、85年と3度登場していますが、いずれもプレミアムが付き、人気があります。
ファクトリーUSAからも87年に再プレスLPが出ていますが、これもファクトリーの精神を引き継いだものです。また、84年に出た日本盤ももちろんファクトリーの精神に則ったプロダクトであり、コレクターから評価も高いものとなっています。
89年、既に他社に流通を委ねた後の米国復刻LPのラベルには<クエスト>のロゴが張り付いていましたが、このあたりがファクトリーの精神の終焉の時ではないでしょうか。
なお、CDはファクトリーが監修した84年英国リリース盤か、それをライセンスしデザインもそれに倣った89年日本盤がお薦めです。90年以降のものは全てファクリーの手を離れたもの。音を聴くだけならそれでもいいですが、できればファクトリーの精神が宿ったプロダクトを手にして本作を聴いてみるのが良いかと思います。
<JOY DIVISION>
ジョイ・ディヴィジョンは後にファクトリーが82年にオープンさせるクラブ“ハシェンダ”の精神を先取りするように、ロック・バンド・スタイルを採ったダンス・ミュージックの創造を追求したバンドです。イアン・カーティスのヴォーカルの一種独特の暗さや深い絶望感みたいな方向で語られる事も多いですが、それ以上にマーティン・ハネットの手によるヴォーカルとドラムスだけにディレイをかけて、ギターやベースの生々しさを強調したサウンドこそが、ファクトリーの精神を音楽で体現してみせたものとして高く評価されている作品と言えるのではないでしょうか。