はっぴいえんど『風街ろまん』のレコーディングの最中に企画された大瀧詠一のファースト・ソロ・シングル構想。後に<ベルウッド>を設立するキング・レコードの三浦光紀がはっぴいえんどのアルバムを同社から発売出来ないか?と交渉に訪れていた事により偶発的に起こったメンバーのソロ構想の第一弾という位置付けです。
この時点ではグループは存続しており、あくまでメンバーのソロ活動という事で、細野晴臣が演奏で参加していたり、松本隆が作詞面でアドバイスしたりしながら制作されています。後年の、凝りに凝った大瀧ワールド全開のものではなく、軽いお遊び程度のもの、とも言えるのかも知れませんが、その分、当時彼らがアメリカの洋楽からいろいろなインスピレーションを受けながら作品を創っていたんだな、というのが結構ストレートに現れていたりして面白い内容となっています。
シングルA面はリトル・エヴァ「ロコモーション」を模したスネア・リフでスタート(ちなみに、この曲でドラムを叩いているのは細野晴臣で大瀧詠一はベースを弾いている)。B面ナンバーは大瀧自身が“生涯のベスト・ヴォーカルではないか”と自画自賛した、叙情的ナンバーです。駒沢裕城のスティール・ギターが鳴り響き、どこかハチミツパイを想わせたりもする素敵な曲。尚、大瀧詠一のファースト・アルバム収録曲は追加レコーディングが行われている別ヴァージョンにつきご注意ください。ジャケット写真の撮影場所は鉄道ファンお馴染みの青梅にある鉄道公演の中のSL写真。大瀧詠一ファンの聖地?として訪れたファンもいるとかいないとか。
オリジナルの発売は1971年12月。2017年にベルウッド45周年記念7インチ復刻シリーズで復刻されています。