大量生産、大量消費をテーマにアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)が展開したポップ・アート。それは50年代以降どんどんマーケットを拡大し続ける米国音楽産業の主力プロダクトとの相性が抜群によかったせいもあり、50年代から70年代にかけて彼が手掛けたポップ・アートがその時代を象徴するような音楽作品のLPのアート・ワークを飾っています。
今回は、そんなアンディ・ウォーホルがアートワークを手掛けたレコードを、年代別に参考買取価格と合わせてご紹介させていただきます。
50年代のウォーホルのデザインは<商業デザイン>の時代と呼ばれたりします。<ヴォーグ><ハーパース・バザー>のイラストを書く事でそのキャリアをスタートさせ、新聞広告部門で賞を獲得しながら名をあげていった彼が発明したのが「フロッテド・ライン」という線画にのせたインクを紙に転写する手法。いわゆる”しみつきの線イラスト”がこの時代に登場。そして、早くもそのデザイン展開素材として音楽が登場。それが<ブルー・ノート>のジャズ・アルバムです。この時代のポピュラー音楽のメイン・ストリームはジャズ。米国における音楽フェスの走りとなったのもジャズ(有名な「ニュー・ポート・ジャズ・フェスティヴァルは56年スタート)である事も忘れずにおきたいですね(つまりこの時代もウォーホルは時代の先端にいた、という事を示しています)。
そんな50年代にウォーホルがデザインした作品がこちら。
いずれの作品も、ウォーホルによるデザインだから、という理由かどうか定かではありませんが、近年ヨーロッパでLP復刻盤も発売されています。
60年代のウォーホル・デザインは<ファイン・アート>と呼ばれ、62年に設立された有名な<ファクトリー>をデザイン工房として展開されたもの。70年代に大々的に展開されるシルク・スクリーン・デザインもこの時期に開発されています。50年代のジャズに替わり、60年代にどんどん市場を大きくしていったロックに交替。商業デザイナーにつきマーケット・ニーズの変化に応えるのは自然なことですが、先進的な芸術家や音楽家たちのサロン機能を生かして、極めて先進的なアーティストたちと接触していったところに、ウォーホルの凄みがあると言えそうです。
67年に発売されたバナナのデザイン・アートが有名な作品がこちら。
なお理由は不明ですが、カナダ、英国での初回盤はバナナのデザインがグループのメンバー写真に差し替えられています。
60年代に開発したシルク・スクリーン・プリントのデザインを、70年代においては社交界からの依頼などを受けて大々的に展開。それをもって<ビジネス・アート>の時代と呼ばれていますが、音楽においてもそのような手法を用いたものをたくさん製作しています。70年代に入りポップ・マーケットの市場が拡大の一途を辿り、80年代に入ると大量生産、大量消費を目指しマスなヒット作りに向けて音楽業界がどんどん力を入れて行った結果、その瞬間だけは流行しても後の世代にまで聴き継がれていくような音楽作品がどんどん数を減らして行きます。それを既に70年代に予見でもしたように、シルク・スクリーン技法を用いてあまり創意工夫の跡もないウォーホル・デザインに包まれた作品群は今日では作品的には人気が高い方ではありません。
唯一の例外が、このローリング・ストーンズのLPアートワークかも知れません。
このアートワークは、米国/英国/日本、すべて同じで統一ですが、ロゴの配置が違っていたり、ジッパーの種類が各国違いと(各国生産であれば当たり前かも知れませんが・・・)、コレクターにとっては蒐集し甲斐のあるアルバムとなっています。
レコードは中に収められた黒い円盤をターンテーブルにセットして聴く為に製作されたものですが、ウォーホル作のアルバム・ジャケットのアートワークを壁に飾ったりして楽しんだ人もさぞ多かったのではないでしょうか。
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