1976年にリリースされたEaglesの通算5作目のアルバムにして、ロック史における不朽の名作です。アメリカレコード協会(RIAA)が毎年発表している売れたアルバムランキングTOP10の常連で、2018年の時は3位(1位が同じくEagles / Greatest Hitsで、2位がMichael Jackson / Thriller)という40年以上に及ぶ印税が凄そうなお話、ではなく、これだけ売れているのだから当然、日本国内でも相当数の流通量があります。
弊社にもおかげ様でたくさんのHotel Californiaが入荷しますが、実はオリジナル盤となるとあまり見かけません。リリースから40年以上の間でレコードとCDだけで350以上のバージョン、つまり再発があるので仕方ないようにも思えなくはありませんが。
では、どこを見ればオリジナルかどうか分かるのか…。今回はお客様から買い取らせて頂いたレコードからご紹介させて頂きます。
お馴染みのジャケットは見開き仕様になっております。
余談ですが見開き内部にお化けが写っているという逸話がありますが、おそらくお化けではないですし、オリジナルにしか写ってないという訳でもありません。
↑真ん中の枠の中にいるお化けと言われている人
確かにちょっと気味悪い感じですが、個人的には写っている人達全員、影があって薄気味悪い感じの印象を受けます…。
Hotel Californiaは歌詞の内容やそのジャケットについて深読みされまくって話が一人歩きしていき、メンバー本人たちも後に狂気の沙汰だと言っていたそうなので、当時は盛り上がったのでしょうが、今やもうゴン冷めですね。
まずしっかり確認したいのは規格番号(=型番号、カタログナンバー)です。というか、これがもうほぼ全てです。
オリジナルは「7E-1084」になります。
ジャケットの背表紙、ジャケット裏の片隅、ラベルの中央左に記載があります。(だいたいのレコードがこの辺に規格番号の記載があります)
↑ジャケット背表紙
↑ジャケット裏の左下部分の記載
70年代当時に輸入盤を買ったという方でも「6E-103」の型番をお持ちの方が多くいらっしゃいます。同年にこの規格番号もリリースされているのですが、厳密には“7E”規格がオリジナルとされています。
ちなみに国内盤は1976年リリースが「P-10221Y」81年再発盤が「P-6561Y」のいわゆるP規格です。Atlantic、Reprise、Asylum、Elektraなどのワーナー系列の国内盤はどれもこのP規格となっています。皆様がよくお持ちのところで言うとLed ZeppelinやNeil Young等がそうです。
続いてラベルとデッドワックスの刻印です。
今回、手元にあるのがこちら
↑ラベル中央左側に「7E-1084」とPRCWの記載
デッドワックスには以下の記載があります。
A面「7E 1084 A RE -8 PRCW 1 “IS IT SIX O’CLOCK YET?“ STERLING LH」
B面「7E 1084 B RE -8 PRCW 1-1 “V.O.L. IS FIVE PIECE LIVE” STERLING LH」
まず、見る所としては「STERLING刻印」と「LH刻印」です。Donald FagenやNeil Youngのコラムでもご紹介したように、STERLING Soundでマスタリングされ、エンジニアがLee Hulkoである証明です。この2つの刻印が無ければいけません。
↑STERLING刻印とLH刻印
そして、デッドワックスとラベルの規格番号の右側に記載がある「PRCW」についてですが、こちらはPRC Recording Companyのコンプトン工場でプレスされたものという意味になります。
本アルバムはその他にも
・PRC Recording Companyのリッチモンドにある工場でプレスされた「PRC」
・Specialty Recordsの工場でプレスされた「SP」
・Columbia Recordsのサンタ・マリア工場でプレスされた「CSM」
この4つの工場でプレスされており、それぞれ記載が異なります。
↑Specialty Recordsでプレスされた“SP”の記載があるラベル
このプレス工場とマトリクスについてですが、これはもうかなりマニアックな世界でして完全オリジナルがどれなのかは定かではありません。
なので現状、上記の「STERLING刻印」と「LH刻印」があればオリジナル盤または初回規格盤といって差し支えないかと思います。
このアルバムの特徴として、オリジナルのインナースリーブとポスターが付属しています。
↑インナースリーブの表と裏
↑三つ折りになって入っているポスターを広げたもの
↑ポスターとインナースリーブそれぞれにも規格番号の記載があります
スリーブはだいたいあるのですが、このポスターが結構失くされている(使用されている)方が多いです。
また、発売当時のシュリンクとステッカーが残っていたら最高です。
↑シュリンクとステッカー
Hotel Californiaは入荷量が多いアルバムで、売値で3桁、買値で2桁が当たり前になっておりましたが、不動の人気ぶりから日々相場も変動しております。
常に相場の動向と1枚1枚細かい所までしっかり確認して査定しておりますので、お持ちの方は是非セタガヤレコードセンターまでお問い合わせ下さい。