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【雑記第3回】Prestige傍系『New Jazz』レーベル <中編>

<前編>からの続きです。

Prestige8200番台の途中からぬるっと再開されたRiversideの人気ブランチの1つ「New Jazz」。そのレーベル名通りに先鋭的な録音が多く、当時新進気鋭であったEric DolphyやLem Winchester、Oliver Nelson、Walt Dickerson等をフィーチャーし、Jackie McLeanの“McLean’s Scene”、Tommy Flanagan等による“The Cats”、Kenny Dorhamの“Quiet Kenny”やRoy Haynesの“Cracklin'”といった名盤を数多く残します。


New Jazzに残されたEric Dolphyの名盤たち。

しかし、New Jazzレーベルの隆盛は長くありませんでした。と言いつつ実際のところ当時隆盛していたかも少し疑問符ですが、ここからPrestige特有の謎ムーヴをかましてきます。62年に入り、New Jazzレーベルで8297~8302番の6タイトルで欠番が発生します。これらのレコードはPrestige16000番台からリリースされますが、この16000番台は「PR 160011」までしかなく、そのうち4タイトルが結局未発表、1タイトルが情報なしという有様です。先のNew Jazz欠番のうち新録は3タイトルのみなのですが、Ahmed Abdul-Malikの“The Eastern Moods Of”のマトリックスを見てみると「NJLP-8299」「PRLP-7299」「PR 16003」と3つの型番が掘られています。例えば、あるタイトルを型番を変えて再リリースする時に同じスタンパーを利用する場合、前の型番が消されているのはよくあるケースです。なるほど。ではここに掘られている「PR 16003」は最終的にリリースされた番号、「NJLP-8299」はNew Jazzとして予定されていた番号。

はて「PRLP-7299」?「PRLP-8299」でもなく??実は「PR 16001」としてリリースされたPony Poindexterの”Gumbo!”にも消された「PRLP-7298」のマトリックスが刻印されています。しかし、この番号は“The Eastern Moods Of”のように千の位の差異ではなく、New Jazzでリリースされる予定だった「NJLP-8297」とはアナグラム的に全体がずれています。もちろんこれらの「NJLP-」は別タイトルで7200番台に存在しています。さぁ何か中の人がやらかしたニオイがぷんぷんしてますね。いい感じのロマンが漂っています。更に付け加えると、これらの8200番台から16000番台のPrestigeに振り替えられたタイトルは、なぜかジャケットに後からNew Jazzロゴをステッカーを貼り付けられてリリースされています。何が何だかです。


「NJLP 8299」から「PR 16004」に振り替えられてリリースされたGildo Mahonesの”I’m Shooting High”。ジャケットの左上にNew Jazzのステッカーが見えます。


同じくGildo Mahonesの”I’m Shooting High”の「黄NJ」ラベル。

この謎ムーヴの原因は。こういったお話って当時の中の人しか真相は分からないんですよね。Prestigeに関わらず謎ラベルや謎プレスは全てのレーベルで存在するといっても良いと思うのですが、もう私達は推測するしかないのでしょうか。いつかこういった謎が解けるといいのですが。“集合知”でいきましょう!

次回はNew Jazz最終回です。この後New Jazzはどうなるでしょうか。

ご想像通りぐだぐだの終焉を迎えます。

<後編>