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【雑記第2回】Prestige傍系『New Jazz』レーベル <前編>

モダン・ジャズの三大名門と呼ばれるレーベルの1つPrestige。その傍系レーベルでありながら強い人気を持つブランチ「New Jazz」。

実はPrestigeよりも先にNew Jazzが生まれました。創設者のボブ・ワインストックはレコード・コレクターからレコード屋を営むようになり、そして1949年にはレコードの製作にのりだします。その第一弾はNew JazzレーベルからのLennie Tristano Quartetの”Subconscious-Lee / Judy”、もちろんSPです。しかしこの後、すぐにPrestigeのロゴを持つラベルを添えたSPを作り出します。しばらくは両レーベルを並走させており、New Jazzでのオリジナル録音のリリースはもちろん、New Jazzからのリリース作をPrestigeで再リリースしたり(おい…こんなことをまだ2レーベルしかない発足数年目からやりやがって…だからマジでPrestige系列のカタログはホントにもう…)しつつ、50年代初頭にNew Jazzラインは一度途切れます。

当時、結成されたばかりのModern Jazz Quartetに「君ら、名前『New Jazz Quartet』にしない?」(そもそも「Milt Jackson Quartet」からの発展で頭文字を揃えたModern Jazz Quartetなんですけど)と無茶振りしたり、なぜかボブ・ワインストック肝入りのネーミング「New Jazz」ですが、満を持して!…ではなく、なんか成り行きに任せた感じでヌルっと再登場します。


本流7100番台においての初のNJラベル。タイミングを同じくして8200番台が始まります。

1958年から始まったPrestige8200番台。8201番のMal Waldronから始まり8204番まではジャケットにPrestigeの文字があり、ラベルはいわゆる「黄NJ」ラベルです。New Jazzの影も形もありません。ちなみに8201~8204番は同時発売で、本流Prestige7100番台でもこのタイミングでNYCラベルからNJラベルに切り替わります。ニュー・ジャージーへの引っ越しから心機一転始まったのが8200番台とも言えるでしょう。そして8205番のJerome Richardsonの”Midnight Oil”で初めてジャケットにNEW JAZZの文字が。しかしまだ(極少数ながら)黄NJラベルは存在します。


初めてジャケットに「NEW JAZZ」と記載されたJerome Richardsonの”Midnight Oil” (OJC盤)。

そして8207番のGeorge Wallington Quintetの”The New York Scene”からお馴染み紫色のNew Jazzラベルがイニシャルで採用となります。紫ラベルに記載された型番はNew Jazz固有のプリフィックス「NJLP」から始まっておりますが、この盤のマトリックスはPrestigeを表すプリフィックスを持った「PRLP-8207」なんですよね…ということは、どこかに「黄NJ」が存在するのか、はたまたスタンパー作成後にレーベルとしてのNew Jazzの再開に8200番台を利用することを思いついたのか…この辺は今のところ後者に軍配です。
 


NEW JAZZお馴染みの紫ラベル。こちらの溝は太深溝プレス。

さぁ復活を遂げた「New Jazz」ですがこの後もぐだぐだしてしまうのが流石俺たちのPrestigeです。

<中編>に続く