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【雑記第4回】Prestige傍系『New Jazz』レーベル <後編>

<中編>からの続きです。

Riversideの人気ブランチの1つ「New Jazz」。50年代の終わりにPrestige8200番台の途中からぬるっと傍系レーベルとしてスタートしましたが、62年に入ると欠番とともに、それらのタイトルがPrestigeの新たなライン16000番台からリリースされてしまいました。そしてその16000番台もあっという間に消滅。

さて、New Jazzレーベルの欠番であった8297~8302番以降、8303番はというと「Status」シリーズの番号が振り分けられてしまいます。そんな。

StatusとはPrestigeの中で、未発表音源の発掘や再発をメインとした廉価ラインという位置付けのブランドで、レーベルとしてはPrestigeやその他の傍系ブランチ問わずに用いられました。オレンジ色のラベル、その中央上部に大きなStatusのロゴ。型番は元々の番号のプリフィックスをSTに変更する形で流用され、ジャケットのロゴもStatusのロゴに変更。このロゴ変更の際によく見られるのが、元々のオリジナルの余剰ジャケットにSatustステッカーを貼り付けて、はいお終いのパターン。これはちょっと悲しいです。他にも余剰ジャケットをそのまま使用するパターン、裏面のライナー箇所にあるロゴと型番のみ変更するパターン、そして稀にジャケット・デザインも全面変更されリリースされるタイトルもあります。この辺りはざっくりとおおらかな気持ちで見守ってあげてください。


Steve Lacyの”Soprano Sax(PRLP 7125)”がジャケットを変えStatusよりリリースされた1枚。

8200番台のStatusは録音期より「ST 8303」のAhmed Abdul-Malikの“Spellbound”は新録かと思われますが、それ以外は全て再発、もしくは未発表音源の初リリースの場となります。未発表初登場モノではCurtis Fuller And Hampton Hawesの“With French Horns”やMal Waldron等による“The Dealers”などの人気作もあります。


Statusからリリースされた未発表音源人気作の1つ。

しかし!元々はこれもPrestige傍系の「Tru-Sound」からのリリースであったClea Bradfordの“These Dues”の再発となる8320番から我らが「New Jazz」が復活します。プリフィックスは「NJLP-」となりジャケットにもNew Jazzの文字、そしてこの時期には既に紺ラベル期に移行している為、ジャケットにはトライデント・マーク付き。そしてまた「しかし」なのですが、これも8327番にあたるFrank Wess等の“Wheelin’ And Dealin’”の再発で8200番台は終了。New Jazzレーベルもここで終了となります。この「New Jazz紺ラベ期」は全て再発か未発表音源ですが、The Latin Jazz Quintetの“Latin Soul (NJLP 8321)”といった人気盤もあったりします。

さて、New Jazzレーベルにまつわる悲喜こもごもは以上になります。この8200番台に総じて言える事なのですが、New Jazz、Status問わずに元々は廉価ラインとして始まったのではないかという事。まぁほぼそれが既定路線かと思うのですが、その一番の理由としてはレコード盤の原料として使用されたビニールの素材が悪く、いわゆる“カゼヒキ”を起こしているものが殆どという事です。大半がオリジナル盤原理主義のヴィンテージ・ジャズ・マーケットにおいて、この期のプレスを避けて、敢えて後の紺ラベ期の再発を求める方もいらっしゃる程です。しかし、オリジナル盤の魅力に抗えないのもまた事実。こんなにも可愛い、そしてロマン溢れるNew Jazzレーベル及び8200番台について。

以上、お付き合いありがとうございました。


余剰ジャケットにStatusロゴのステッカーを貼ってリリースしたもの。しかも横…。

追伸 : 実はStatusのロゴって同じPrestige傍系の「Swingville」のロゴを縦にしただけなんですよね。意外と盲点…というか当たり前すぎてあんま触れられないのかな。自分気づいたときは「おー!」ってなったんですけど…なうんちくでした。