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【雑記第33回】ECMの日本盤リリースの経緯 ③

②より

ECMの日本国内での製造/販売のライセンスを取得するまでのリリースを見てみましたが、その1973年前後はどうやら少し入り組んでそうなことが前回分かりました。
それでは、ということでECM初期の各アルバムのリリース時期を分かる限り書き出してみました。

1970年1月1日 ECM 1001 Mal Waldron Trio – Free At Last
1970年5月1日 ECM 1002 Just Music – Just Music
1970年12月1日 ECM 1003 Paul Bley With Gary Peacock – Paul Bley With Gary Peacock
1971年11月15日 ECM 1004 Marion Brown – Afternoon Of A Georgia Faun
1970年11月1日 ECM 1005 Derek Bailey, Evan Parker他 – The Music Improvisation Company
1970年12月1日 ECM 1006 Wolfgang Dauner – Output
1971年1月1日 ECM 1007 Jan Garbarek Quartet – Afric Pepperbird
1971年3月15日 ECM 1008 Robin Kenyatta – Girl From Martinique
1971年4月15日 ECM 1009 Chick Corea, David Holland, Barry Altschul
1971年春 ECM 1010 Paul Bley – Ballads
1971年5月1日 ECM 1011 David Holland, Barre Phillips – Music From Two Basses (後にトリオ株式会社 PA-7070)
1971年9月15日 ECM 1012 Bobo Stenson, Arild Andersen, Jon Christensen – Underwear
1971年10月15日 ECM 1013 David Holland, Derek Bailey – Improvisations For Cello And Guitar (後にトリオ株式会社 PA-7075)
1971年 ECM 1014 Chick Corea – Piano Improvisations Vol. 1
1971年11月1日 ECM 1015 Jan Garbarek, Bobo Stenson他 – Sart (後にTRIO RECORDS PA-7076)
1971年9月 ECM 1016 Terje Rypdal – Terje Rypdal (後にTRIO RECORDS PA-7071)
1972年3月1日 ECM 1017 Keith Jarrett – Facing You
1972年5月 ECM 1018/19 Circle – Paris-Concert
1972年3月1日 ECM 1020 Chick Corea – Piano Improvisations Vol. 2
1973年1月1日 ECM 1021 Keith Jarrett, Jack DeJohnette – Ruta And Daitya トリオ株式会社 PA-7072
1972年7月1日 ECM 1022 Chick Corea – Return To Forever
1973年2月1日 ECM 1023 Paul Bley – Open, To Love トリオ株式会社 PA-7073
1973年4月 ECM 1024 Gary Burton, Chick Corea – Crystal Silence トリオ株式会社 PA-7074
1973年6月1日 ECM 1025 Ralph Towner With Glen Moore – Trios/Solos トリオ株式会社 PA-7077

上記のリリースの年月日はECMのオフィシャル・サイトからの引用です。

この数字通りにいきますと、まず“ECM 1004 Marion Brown – Afternoon Of A Georgia Faun”のリリースにかなりのイレギュラーが発生しています。録音は1970年8月10日となっていますので、録音時に型番を設定したものの、リリースまでになんらかの障害があったのでしょうか。とか言いつつも、個人的には単純にECMオフィシャル・サイトが1970年を1971年と誤記しているのでは?という疑いもよぎってます。それだとかなり落ち着くというか。ちなみにオリジナル・ラベルのコピーライト表記は1970年ですし。
では、前回気になった“ECM 1022 Chick Corea – Return To Forever”はどうでしょう。1973年からトリオ株式会社/TRIO RECORDSが日本国内での権利を獲得しましたが、やはり予想通り、型番順とはイレギュラーなリリースとなっているようです。
“ECM 1022 Chick Corea – Return To Forever”は国内でもかなりの争奪戦となった模様で、その通り今ではChick Corea、ECMそしてこの期のジャズ・フュージョンの黎明を代表するアルバムとなっています。結局、その後も“Chick Corea – Return To Forever”をトリオ株式会社がリリースする機会は訪れませんでした。これが1973年のリリースだったら…と臍を噛むのか、もしくはこのタイトルのモンスター・ヒットがあったからこその日本独占契約という形をECMが取ったのでは、という推測もできますね。

日本グラモフォン株式会社/POLYDOR盤の“Chick Corea – Return To Forever”。

東芝音楽工業株式会社/オデオン盤の“Marion Brown – Afternoon Of A Georgia Faun”同様にライセンス先の「HARA MUSIC」のクレジットが見て取れます。

“Airto Moreira”の発音についての蘊蓄コーナー。「目(アイ)、耳(イヤー)、爪先(トゥー)」と発音するんだよとご本人談。

1983年にポリドールがECMのライセンスを取得した後の“Return To Forever”には「HARA MUSIC」のクレジットはなくなっています。

それでは次回、トリオ株式会社/TRIO RECORDSでの日本国内での製造/販売のスタートを見て、この題目を終了したいと思います。
引き続き宜しくお願い致します。

つづく