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【雑記第32回】ECMの日本盤リリースの経緯 ②

前回より

本家の始動とともに、ほぼ同じタイミングでスタートした日本盤ECMのリリース。
トリオ株式会社/TRIO RECORDSと契約するまで、日本国内での製造/販売については間に“ハラ・ミュージック(HARA MUSIC)”というエージェント/代理店を立ててワンショットでタイトル毎に契約をしていました。

ではそのリリース状況とは。
1973年のTRIO RECORDS契約付近までの日本盤リリースを本家ECMの型番号順に並べてみますと、以下のようになります。

ECM 1001 Mal Waldron Trio – Free At Last 日本ビクター株式会社/GLOBE SMJX-10098
● ECM 1002 Just Music – Just Music ナシ
ECM 1003 Paul Bley With Gary Peacock – Paul Bley With Gary Peacock 日本ビクター株式会社/GLOBE SMJX-10118
ECM 1004 Marion Brown – Afternoon Of A Georgia Faun 東芝音楽工業株式会社/オデオン OP-88011
● ECM 1005 Derek Bailey, Evan Parker他 – The Music Improvisation Company ナシ
ECM 1006 Wolfgang Dauner – Output ワーナーブラザーズ・パイオニア株式会社 P-8113P
●ECM 1007 Jan Garbarek Quartet – Afric Pepperbird ナシ
ECM 1008 Robin Kenyatta – Girl From Martinique ワーナーブラザーズ・パイオニア株式会社 P-8090P
ECM 1009 Chick Corea, David Holland, Barry Altschul – A.R.C. 日本グラモフォン株式会社/POLYDOR MP 2192
ECM 1010 Paul Bley – Ballads テイチク株式会社/OVERSEAS UPS 527-V
●ECM 1011 David Holland, Barre Phillips – Music From Two Basses ナシ (後にトリオ株式会社 PA-7070)
ECM 1012 Bobo Stenson, Arild Andersen, Jon Christensen – Underwear テイチク株式会社/OVERSEAS UPS 531-V
●ECM 1013 David Holland, Derek Bailey – Improvisations For Cello And Guitar ナシ (後にトリオ株式会社 PA-7075)
ECM 1014 Chick Corea – Piano Improvisations Vol. 1 日本グラモフォン株式会社/POLYDOR MP 2223
●ECM 1015 Jan Garbarek, Bobo Stenson他 – Sart ナシ (後にトリオ株式会社 PA-7076)
● ECM 1016 Terje Rypdal – Terje Rypdal ナシ (後にトリオ株式会社 PA-7071)
ECM 1017 Keith Jarrett – Facing You 日本ビクター株式会社/VICTOR SMJX-10139
ECM 1018/19 Circle – Paris-Concert CBS・ソニーレコード株式会社/CBS/Sony SOPJ 19~20-XJ
ECM 1020 Chick Corea – Piano Improvisations Vol. 2 日本グラモフォン株式会社/POLYDOR MP 2292
ECM 1021 Keith Jarrett, Jack DeJohnette – Ruta And Daitya トリオ株式会社 PA-7072
ECM 1022 Chick Corea – Return To Forever 日本グラモフォン株式会社/POLYDOR MP 2273
ECM 1023 Paul Bley – Open, To Love トリオ株式会社 PA-7073
ECM 1024 Gary Burton, Chick Corea – Crystal Silence トリオ株式会社 PA-7074
ECM 1025 Ralph Towner With Glen Moore – Trios/Solos トリオ株式会社 PA-7077

いかがでしょう。
」と太文字がトリオ契約前に国内盤がリリースされたタイトルです(「●」はリリースされなかったタイトル)。
日本ビクター株式会社/GLOBE/VICTOR、東芝音楽工業株式会社/オデオン、ワーナーブラザーズ・パイオニア株式会社、日本グラモフォン株式会社/POLYDOR、CBS・ソニーレコード株式会社/CBS/Sonyと、5社がライセンスを取得しています。
こう見てみると、ワーナーブラザーズ・パイオニアの2タイトルがどちらもWolfgang Dauner絡みと渋いトコ突いていますね、とか、グラモフォンがChick Coreaを総取りしに行ってますね、でもChick Coreaも在籍するグループCircleは、そのCircleの日本盤オンリー作をリリースしていたCBS・ソニーからのリリースなんですね、ではMarion Brownが東芝音楽工業株式会社/オデオンなのは当時ライセンス契約をしていたImpulse絡みなのかな、とか。なんかこのリストだけで一晩飲めそうなお友達ゆる募したくなりますが、基本的には由縁あるレコード会社からのリリースとなっていることに気づきます。
そして、トリオ株式会社との契約前の最終タイトルは“ECM 1022 Chick Corea – Return To Forever”となっています。
なっていますが、ちょっとお待ちください。グラモフォンにおける“ECM 1022 Chick Corea – Return To Forever”の型番号は「MP 2273」ですが、“ECM 1020 Chick Corea – Piano Improvisations Vol. 2”は「MP 2292」となっており、リリース順は“ECM 1022 Chick Corea – Return To Forever”の方が、先にリリースされた可能性が高いということになります。それに“ECM 1021 Keith Jarrett, Jack DeJohnette – Ruta And Daitya”のリリースも間にあり、トリオとの契約のタイミングはちょっと入り組んでそうですね。

余談。ECMのリリースには、その「音」はもちろん、ジャケット・デザインにも趣向を徹底するプロデューサーのManfred Eicherですが、ECM作品で日本独自デザイン・ジャケットが2つあります。
それがこの2つ。ちなみに“A.R.C.”はUS盤においても異なるジャケットが使われています。なにか理由があったりするのでしょうか。ただ後年の日本盤ではオリジナルのデザインが使用されています。

グループ名“ARC”も“チック・コリア・トリオ”変更された国内盤

“ECM 1006 Wolfgang Dauner – Output”の国内盤オリジナル・ジャケット

元い、“Chick Corea – Return To Forever”前後含め、ECM初期作のリリース順についてをトリオとの契約タイミングを見つつ出来る限り調べてみます。

つづく