ここに2枚の同じタイトルのレコードがあります。Prince Lashaが盟友のSonny Simmonsとの2管フロント、そしてツイン・ベースにドラムスという変則クインテットによるアフロ・スピリチュアルな“Congo Call”含む名盤、Contemporaryから63年にリリースされた“The Cry!”です。
この2枚をじっくり見比べてみようが今回の趣旨です。宜しくお願い致します。
まずこのタイトルはContemporaryの7500番台からリリースされているタイトルです。Contemporaryの7500番台というのは少し異端なので(なんか雑記では異端なものの話ばかりしてますね…そこにロマンがあるからということで…)ご説明させていただくと、Contemporaryは58年にステレオ盤をリリースする専門の「Stereo Records」というラインを立ち上げます。これは7000番から7030番まで存在し、すべてのタイトルが既にMONOでリリース済みの「再発」となります(STEREO盤としては初版)。そして、やっぱりややこしいからStereo盤もContemporaryの本流に戻しましょうかということで、Stereo Recordsの黒地に金文字のラベルの意匠を引き継いだ「7500番」台が始まるのですが、なぜか「7521番」の「Barney Kessel / Music To Listen To Barney Kessel By」から始まります…。しかもこのレコードはStereo Recordsで「7001番」としてリリース済みです。なんでこんなややこしくするのでしょうか。しかも「7521番」の次は飛んで飛んで「7526番」。やめてください。
「Barney Kessel / Music To Listen To Barney Kessel By」。”C3521″の初版MONO、Stereo Recordsからの”S7001″、そして”S7521″。やめて…
そんな感じの7500番台ですが、Stereo Recordsからリリースされたタイトルは全て7500番でもリリースされています。また本流のMono盤のStereo再発も引き続き行っています。先の「7526番」は「3526番」でリリースされていた“The Curtis Counce Group / The Curtis Counce Group”を“Vol 1: Landslide”とタイトルを変えてのリリースです。きっとある程度まではリリース順もまちまちなのでしょう、後年のラベルしか見つからないものの現れたりしつつ、7600番台を超えて1990年頃まで続いていきます。
そして本作“The Cry!”は1963年リリースです。
長い前置き失礼いたしました。後半で改めて2枚を見比べてみたいと思います。
後半へ