ポップ史に残る名ソングライターというと、みなさんは誰を思い浮かべますか? ポール・マッカートニー、キャロル・キング、ブライアン・ウィルソン、バート・バカラック・・・様々な名前が挙がりましょうが、私にとってはプリファブ・スプラウトのパディ・マクアルーンがその筆頭です。
今日はこちらを買い取らせていただきました。
プリファブ・スプラウト85年の2ndアルバムにして、英国ポップ史上に燦然と輝く大名盤『Steve McQueen』・・・のUS盤です。このジャケット、何か違和感ありません?
天の声「志村、うしろうしろ!…じゃなくて右上右上!」
…っ!タイトルが『Two Wheels Good』になってる! そう、俳優スティーヴ・マックイーンの名を冠したオリジナルタイトルが米国では権利的にNGだったんですね〜。だから『Two Wheels Good』ですって。邦題風に言えば『二輪バンザイ』ってな感じでしょうか。いや〜、何ともしょーもないタイトルに差し替えられちゃったものです。。
一応、オリジナルジャケも貼っておきます。
お次に裏ジャケです。
はい、よく見てください。1曲目のタイトル。「Faron」になってます。本来の曲名は「Faron Young」です。これまたカントリー・ミュージシャン、ファロン・ヤングの名前がUS盤では使えなかったためなんですね。プリファブには他にも「Donna Summer」なんて曲もあったりして、パディさん、人名タイトルが相当お好きとお見受けします。
でもアルバムの内容は本国UK盤『Steve McQueen』とほぼ一緒なのでご安心ください。“ほぼ”と書いたのは、A4「When Love Breaks Down」(名曲ですね〜!)のみヴォーカル・トラックやエンディングがUK盤とは異なるヴァージョンが収められているからです。言われなきゃわからないレベルかと個人的には思いますので、興味ある方は聴き比べてみてください。ちなみにCD盤『Two Wheels Good』にはボーナス・トラックが3曲追加されています。
さて、『Two Wheels Good』のレコードにもいくつかプレスに種類がありまして、今回買い取ったのは1985年EpicリリースのUSオリジナル盤です。裏ジャケのバーコードで一目瞭然なんですが、中古レコードは長年人の手を渡り歩く中で中身だけ別プレスの盤に入れ替わってしまうなんてケースもあるので、ちゃんと盤のマトリクスもチェックいたしますよ。A面:AL-40100-1AA、B面:BL-40100-1B、B面デッドワックスにSTERLING刻印アリ。はい、ちゃんと合ってました。よかったです。まぁこの作品はUS盤である時点でそれほど高いものではないんですけどね。
※STERLING刻印の説明は<コチラ>
Prefab Sprout “Steve McQueen”・・・甘美で洗練されたパディのメロディメイカーぶりとトーマス・ドルビーの清涼感あふれるプロデュースワークが完璧に融合した奇跡的な名盤。ただ美しいだけじゃなく、青春の甘酸っぱさやほろ苦さ、焦燥や痛々しさなども封じ込められてるところがこのアルバムをより特別たらしめているのではないかと思います。何を隠そうこのアルバムは私にとって人生最愛の1枚、いわゆる“無人島ディスク”です。
セタガヤレコードセンターではこのように各国盤や再発盤も丁寧に査定しますので、お気軽にお問合せください。
それではまた次回まで、Goodbye Lucille #1…