メニュー

【雑記第6回】名門RIVERSIDEの最終作『499』- 後半

前半より

Riversideの499番”The Cannonball Adderley Sextet / Cannonball In Europe!”、それはRiversideにおける最後のリリース作でありながら、アメリカでは発売されませんでした。

前回より話をCannonball Adderleyの方に向けると、62年の夏のヨーロッパ・ツアーで録音された”Cannonball In Europe!”。帰国後の9月に”Jazz Workshop Revisited”を録音し「444」として、12月には”Cannonball’s Bossa Nova”を録音し「455」としてRiversideよりリリースされます。翌年の63年には産経ホールで行われた来日公演の模様を収めた”Nippon Soul”を「477」でリリース。この”Nippon Soul”が本国アメリカのRiversideからリリースされたAdderley最終作となりました。Riversideは63年に入ると明らかに録音自体が減っており、そこにオウナーの一人で経営を担当していたBill Grauerの突然の死、64年には破産しレーベルは終焉を迎えます。この倒産の理由について、Orrin Keepnewsは多くを語っていません。

日本ではこんな「Nippon Soul」との2枚組盤なんてのもリリースされていました

録音とリリースの順番が入れ替わることは往々にしてあり、また型番号を追い越してリリースされることも珍しくはないため、型番号自体がリリースの順番を表すものではありません。しかし、ヨーロッパ・ツアーからの帰国後に録音された、しかも日本でのライヴも含む3作がすんなりリリースされたにも関わらず”Cannonball In Europe!”が「499」までずれ込む理由は何かがあったのかなと邪推してしまう余地があります。しかし、これはまさに邪推の域を出るものではなく、実際の問題は経営の方にあったとみるべきなのでしょう。リリース予定であったが経営が破綻してしまったという結論。Riversideの後期のカタログ「488」「489」「497」において欠番が発生しているのも経営に問題が出ていたことが理由でしょうか。
もう1つの考えとして「最初からヨーロッパのみで発売するつもりだった」説を提唱してみましょう。オランダ盤、フランス盤、イギリス盤は全て同じジャケット・デザインでリリースされています。その見開きジャケットの内部は5ページからなるブックレット型の非常に情報量の多い解説が付いており、そして裏面には大きな旅行鞄を持った女性とCannonball Adderleyのレコードが19タイトル掲載された広告デザインです。ヨーロッパのマーケットを意識してリリースされたとも言える仕様ですので、この説も無いとは言い切れないかもしれないです。え?じゃあ日本盤は?知らん。

見開きの内側には情報量満載のブックレットが

ジャケットの裏側は広告スタイルになってます

「ペラジャケ」の裏面クレジット。Fontanaからのライセンスだということが分かります。

ごめんなさい。実はこの日本盤はRiversideからではなくヨーロッパのFontanaからのライセンスとなっています。この時期、ヨーロッパではFontanaがRiversideのプレス/販売を行っていました。Fontanaの親会社であるPhilipsと既に関係のあったビクターがこのツテを利用して日本でRiversideをリリースしていたのでした。ですので「最初からヨーロッパのみの流通説」もまだ付け入る余地は残っていそうです。
でも、ちょっと待ってください。ヨーロッパ盤って全てモノラル盤のみのリリースでしたよね?日本盤はステレオです。聴いてみました。確かにステレオです。
それでは日本盤のマスターは何処から問題、もしくはヨーロッパ盤にステレオが無い問題が出てきてしまったところでお開きです。「499」がRiversideの最終作となってしまったが故にまつわるロマンでした。
お付き合いいただきありがとうございました。