みなさん、ジョナサン・リッチマンはお好きですか?はい!ワタシは大好きです♪
情けないけどカッコよくて、シニカルだけど優しくて、ユーモラスだけどどこか一本気な永遠のロックンローラー、ジョナサン・リッチマン。パンクの始祖(なんて大仰な形容はジョナサンには似合わない気もするんですけどね)などとも云われ、日本では甲本ヒロトさんが敬愛することでも有名です。07年のフジロック、苗場食堂で観たジョナサンのステージはこの上なく幸せで、一生の思い出なんです。ホーシーツクツクの夏なんです。今、冬ですけど。
そんなわけで本日ご紹介する買取レコードはコチラ。
ジョナサン・リッチマンが70年に結成したバンド、モダン・ラヴァーズのデビュー・アルバムです。ジョナサンのアイドルだったヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルが6曲をプロデュースしています。
リリース自体は76年ですが、レコーディングが行われたのは71~72年。つまり、ジョナサンがまだ20歳そこそこの頃の作品なんですね。レコード会社との契約に紆余曲折あったみたいで、日の目を見るまで5年近くもオクラになっちゃったという。しかも、オリジナル・メンバーによるモダン・ラヴァーズは74年に解散してしまったので、コレがリリースされた時にはもうこの世に存在してません。あわれオリジナル・モダン・ラヴァーズ・・!
にしても、これが70年代初頭のサウンドだと思うと、やっぱり凄いですよ。本人達にとってはヴェルヴェッツのようなアート・ロックの延長だったのかもしれませんが、やはり早すぎたNYパンクって感じ、しますよねぇ? ちなみにオリジナル・モダン・ラヴァーズの鍵盤奏者ジェリー・ハリソンは後にトーキング・ヘッズに加入します。さらにドラムのデヴィッド・ロビンソンは後にザ・カーズを結成します。ついでにギターのジョン・フェリスはリアル・キッズ(お笑い芸人ではない方)を結成します。
で、リーダーのジョナサンはというと、76年にメンバーを入れ替えた新生モダン・ラヴァーズを結成、同年7月にポートレイトジャケが最高なアルバム“Jonathan Richman & The Modern Lovers”をリリースします。”The Modern Lovers”のリリースは同年8月なので、リリース自体はこちらの方が1ヶ月早いんですね。
そんな経緯もあってかジョナサン本人はこちらを自身のファースト・アルバムと認識してるらしく、“The Modern Lovers”の方はレーベルが編集した初期音源集みたいな位置付けのようです(録音時期もメンバーもサウンドも異なりますしね)。でも世間的には“The Modern Lovers”が歴史的名盤としての評価を得ているのはご存じのとおり。米ローリング・ストーン誌の「歴代最高のアルバム500選」では、2003年に381位にランクインしており、2012年度は382位、2020年度は288位へとチャートアップ。この勢いでいけば2030年には205位くらいになってることでしょう。
さて、そろそろ今回買い取らせていただいたレコードに話を移します。
今回のものは本国US盤ではなくUK盤でした。が、ご安心ください。モダン・ラヴァーズに関しては、UK盤でもオリジナル盤ならば十分に高額です。
ただ、今回の盤、見た瞬間は「オリジナル盤かな?」と思ったのですが、どうもそうではなさそうで・・。
まず、ジャケット周りの表記やイエローの内袋はUKオリジナルと同一です。
問題はラベル。オリジナルはフラットなのに対して、こちらのラベルは外周部がモッコリ仕様なんですねぇ。はて?
↓UKオリジナル
↓今回のもの
でもってマトリクスを調べてみると・・
オリジナル
A面:手書きBZ0050A-1E 刻印BSERK-I.A-I
B面:手書きBZ0050B-1E 刻印BSERK-I.B-I
今回
A面:手書きBZ0050A-1E 2 刻印BSERK-I.A-I
B面:手書きBZ0050B-1E 2 () ()←みたいな記号 刻印BSERK-I.B-I
と、やはり微妙な違いがありました。
ここから読み解くに、今回のものはUK盤の初期リプレス(おそらく2ndプレス)だと思われます。ですので、まぁオリジナル盤ほどではないにせよ、結果的には高額買取させていただきました、というお話です。めでたしめでたし。
そんなわけで、ユルいジョナサン・リッチマンの査定もビシッとキメるセタガヤレコードをどうぞご贔屓に願います。
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