70~80年代のイタリアだけではなく、その期の“ジャズ”を代表するレーベルの1つであるBlack SaintでありSoul Note。
Black Saintはイタリアのジャズ・ライターであったGiacomo Pelliciottiによって1975年に設立されました。Giacomo Pelliciottiはライターとしてイタリア“Billboard誌”、1945年から今も続くイタリアのジャズ専門誌“Musica Jazz”ではディレクターとして、そしてプログレッシヴ・ロックにフリー・ジャズ、実験音楽などのアヴァンギャルドな音楽を扱う“Gong誌”を創刊。さらに「アメリカのフリー・ジャズをイタリアに紹介したい」と設立したのがBlack Saintです。
その第一弾はBilly Harperによるその名も“Black Saint”。もう力強い主張がみなぎってます。
そして
BSR 0002 Archie Shepp / A Sea Of Faces
BSR 0003 Muhal Richard Abrams Featuring Malachi Favors / Sightsong
BSR 0004 Don Pullen Featuring Sam Rivers / Capricorn Rising
BSR 0005 Frank Lowe / The Flam
BSR 0006/7 The 360 Degree Music Experience / In:Sanity
BSR 0008 Steve Lacy, Roswell Rudd, Kent Carter, Beaver Harris / Trickles
BSR 0009 Oliver Lake / Holding Together
BSR 0010 Don Pullen / Healing Force
とリリースが続いていきます。
その他にもHamiet Bluiett、George Lewis、Lester Bowie、Leroy Jenkins、David Murray、Andrew Cyrille、Chico Freeman、Joseph Jarman、Oliver Lake、Leo Smith、Sun Ra…といったアメリカのフリー/スピリチュアル系のジャズメンによるリーダー作が99%以上な感じでカタログを埋めています。アナログ期でアメリカ・ジャズメン以外のリーダー作品は、Enrico Ravaが1枚(しかもFonit Cetra盤の再発)とMarcello Melisが3枚のこの4枚のみです(連名作やフィーチャリング・アーティスト除く)。徹底して初志の”アメリカのフリー・ジャズをイタリアに紹介したい”を貫いています。逆にMarcello Melisはどんな強力なコネクション持ってたんでしょうか。ちなみに先のEnrico Ravaの作品にも参加してます。
レーベル・マークなのですが「BSR 0005」までは「顔マーク」でそれに倣ったラベルとなっていますが、「BSR 0006/7」からはサックスを吹く人の馴染みのロゴ・マークとなりラベルも変更されます。
2種類のロゴマーク
顔マークのロゴの“Billy Harper / Black Saint”のラベル
ロゴマーク変更後にリリースされたBilly Harperの“Black Saint”
顔ロゴ、顔ラベルのラストとなる
BSR 0005 Frank Lowe / The Flam
顔ロゴは裏面右上に。
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