ブラック・ジャズ~スピリチュアル・ジャズのレア盤と聞いて、真っ先に思い浮かぶのはやはり当時リリースされていたUSのオリジナル盤だと思います。ただ、いい意味で狭く非常にニッチで、ズブズブに深い世界とあってかコレクターの熱量は半端じゃありません。オリジナル盤の収集だけに飽き足りず、そのコレクターたちはそこに付随する日本盤に目を付けたことにより、レコードの価値はもはやオリジナル盤を凌ぐ状況となっています。
内容は基本的に一緒なのに、なにが?どこが?なぜ?コレクター達心をくすぐるのでしょうか? それは一言で言ってしまえば日本盤には欠かすことのできない特徴的な“帯”の存在。すぐに破けてしまうし、海外のレコードには基本的になかった文化だし。さらに拍車をかけるのであれば日本盤ならではの“ジャケ違い”になるのではないでしょうか?
今回は、1971年にトランぺッターのチャールズ・トリヴァーと、ピアニストのスタンリー・カウエルによってニューヨークで設立された、日本でも特に人気の高いインディペンデント・ジャズ・レーベルStrata-Eastを例に、日本盤特有の帯付きやジャケ違いレコードをご紹介します。
しかし、こうやって改めて並べてみるとエグイ帯の色、その存在感はなかなか強烈ですね。ジャケ違いもオリジナル盤とは全く別次元。やはりコレクター、マニア心はくすぐられますね。もはや内容ではなく、完全に“モノ”ものとしての価値になっているのはレコードならではでないでしょうか?
日本に住んでいる私たちにとっては、海外に住むレコード・コレクターたちよりも数段見つけやすい、遭遇しやすい状況というのは嬉しいものですね。しかも当時の日本のレコード会社は、かなりアンダーグラウンドな作品までリリースを手掛けていて、えーこんなアルバムまで日本盤がリリースされているの?ってな感じなので、あなたのレコード棚にもひょっとしたらそんなお宝レコードが眠っているかもしれません。このコラムを読んで“もしかして”と思った人はぜひ自宅のレコード棚を探してみてみるのもいいかもしれません。
私たちは探求心を忘れずに常々勉強しております。ぜひ違いの分かる査定スタッフが揃うセタガヤレコードセンターにレコードをお送りください。