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優秀録音の世界 – 第8回 キョンファ/チャイコフスキー&シベリウス/ヴァイオリン協奏曲

オーディオ愛好家、とりわけリファレンス・ディスクにLPを選択される方を虜にし続ける優秀録音盤。 弊社の買取で入荷したクラシックLPを中心としたタイトル、そして長岡鉄男氏推薦盤やTASリスト掲載のLPレコードをご紹介して参ります。

レーベル:英DECCA
作曲家/タイトル:チャイコフスキー&シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
指揮/演奏:アンドレ・プレヴィン/チョン・キョンファ

今回お譲り頂きましたのは英国プレスの英DECCA盤となります。
英国DECCAといえば数々の優秀録音でお馴染みです。特にエンジニアであるケネス・ウィルキンソンによる手腕の賜物でしょう。
ズービン・メータ指揮による映画【スター・ウォーズ】(再入荷の際にまたご紹介させて頂きます。こちらも素晴らしい録音です。)のエンジニアで、テクニカルサポートとして参加したディスコグラフィーを辿るとSPレコード期にまで遡ります。

本盤は韓国のヴァイオリニストであるチョン・キョンファがソリスト(ちなみに本盤がデビュー作です)、ズービン・メータが指揮を執り、オケにはロンドン交響楽団。
そして録音された場所はウィルキンソンの本拠地、英国はロンドンのキングスウェイ・ホール、録音エンジニアは前述のケネス・ウィルキンソンが担当しております。

さてこのキングスウェイ・ホール、調べてみると地下にあるスタジオ、かつそのスタジオの下には地下鉄が走っており、録音スケジュールを地下鉄の運行時間に合わせなければならず、しかもこのホールは元々録音設備が無いという事で、なかなかエンジニア泣かせだったことが窺えます。

それでもこのホールを使い続けたのは、ホールの形状、そして壁等に塗られた漆喰等、素晴らしい音響特性を持っていたことにあります。
DECCAだけでなく、EMI(アビー・ロードスタジオ設立後もキングズウェイホールを使い続けたそうです)、ドイツ・グラモフォンからもこのホールを使用した優秀録音作品が多く存在します。

本盤は若き日のキョンファによる溌剌とした弓捌き、そしてプレヴィンによる卓越したタクト捌きによる重厚なサポート、そしてケネス・ウィルキンソンによる最高の録音が重なり、この英国DECCA原盤の評価を不動のものとしています。

残念ながら1980年代前半にホールの所有者が変わってしまい、その後ホールは閉鎖。現在はホテルとなっております。

余談ですが、このチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、映画【LE CONCERT(邦題:オーケストラ!)】感動のラストシーンでも演奏されておりました。
巧みなストーリーで本当に面白い映画でございます。