1970年にリリースされたソロ3作目です。こちらのUSオリジナル盤は少しややこしいです。
まずはジャケットから。
ザラ紙の見開き仕様で、ポスター大の歌詞カードとスリーブが付属しています。ファーストアルバムの時のように表面だけでは判別はできません。
なのでジャケット裏面のクレジットを見てみると「PIANO : Nils Lofgren」の表記が確認できます。
再発盤になるとここが「Neil Young, Jack Nitzsche & Nils Lofgren」とメンバーが追加・訂正されます。改めてみると豪華メンバーですね。
続いてラベルなのですがちょっと一気に並べてみます。
基本的には“Wなし”のタン・ラベルです。ただ、ラベル中央左側の型番RS6383の下を見てみると違いが分かります。
31,009(A面なので)の数字のみの“REなし”と“RE1”、“RE2”があります。
ここからはオリジナルの定義を個々人の裁量に委ねてのお話になります。何せどれもオリジナルといって販売されていますので。
なんとなく分かると思いますが順序としては“REなし”→“RE1”→“RE2”になります。プロモ盤(白ラベル)は“REなし”のラベルが使われております。
所謂、完全オリジナルを目指すなら“REなし”でしょう。
そしてマトリクスです。これがオリジナル盤の定義を大きく左右するものではないかと思います。
初期の盤には「RS-6383-A 1A 31009-RE1」と「RS-6383-A 1A 31009-RE2」(※どちらもA面参照)があります。通称マト“RE1”とマト“RE2”と呼ばれており、それぞれテイクが異なります。こちらも当然“RE1”がオリジナル・テイクとされています。
ファーストアルバムの時とほぼ同じような感じです。で、写真がありません。すみません…
ややこしいのでザックリ整理すると以下のようになるのでしょうか?
完オリ…“REなし”ラベル → マト“RE1”
オリジナル…“RE1”or“RE2”ラベル → マト“RE1”
準オリジ…“RE1”or“RE2”ラベル → マト“RE2”
※いずれもジャケット、付属品の諸条件を含む
先述しましたとおりオリジナルの定義は個々人にお任せします。自己満足の世界ですから。
で、さらに(!)まだあります。
コレクター向けの世界の話になるのですが、このAfter The Gold Rushのリリースされた1970年はRepriseのラベルがタン1色のラベルに変更になった年になります。つまり1年前もしくは数ヶ月か数週間前までRepriseでは2色ラベルでレコードが生産されていたわけです。
そんなわけで、2色ラベルが存在します。本当に珍しいので手持ちが無いため、以下の参考URLでご確認下さい。
https://www.discogs.com/ja/Neil-Young-After-The-Gold-Rush/release/5622098/image/SW1hZ2U6MjI3MDcyNTY=
よく言われるラベル移行期のプレス、もしくは残余ラベルの使用なのか何なのか、当時のプレス工場の人にでも聞かないと分かりません。
本当に数が少ないので、これがオリジナル云々というよりも珍盤に近い扱いになるでしょうか。
で、さらに(!!)珍盤といえば以下の参考URLをご確認下さい。
見開き開いたらT.Rexがいます。
単純にT.Rex /Electric Warrior(1971年)の見開き内部と誤植されたジャケットなのです。工場の人たち大変ですね。こちらも相当珍しいのでお目にする機会は中々ありません。
少しボリューミーな内容になりましたが、Neil Youngのアルバムについての連載は一旦この辺りまでにさせて頂きます。
しかし、コレクターにとってはこのアルバム1枚だけでも金塊を発掘するような大変な作業になるのではないでしょうか。