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【雑記第1回】Blue Note – 4世代の隔たりと在るはずのない溝からのロマン

BLUE NOTEのレコードのオリジナル盤、またプレス時期の判別ポイントは幾つかありますが、ラベルの形状(記載の住所や会社名、デザイン)、デッドワックスに掘られた刻印、盤のフチの隆起や溝の有無、ジャケットの体裁(記載の住所や裏面のレイアウト、コーティングの有無や形状、紙質)などが主にあります。

ラベルの記載住所については基本的にその都度のBlue Note本社引っ越しのタイミングに合わせつつも、いわゆる「ラベル切り替え期」には片面が「47 WEST 63rd NYC」ラベルで片面が「NEW YORK, USA」なんてものも、ありふれた様にざくざくと出てきます。ラベル切り替え後にもこのような「残余ラベル」を使用したケースでは、例えば両面「NEW YORK, USA」ラベルにも関わらず、これどう見ても(見るというか重さや手触りなどで)「Liberty」プレスだよな、というのもあったりもします。

ところで先日こんなものを見つけました。57年より採用されたBLUE NOTEのLPでは最も古い形状の「767 Lexington Ave NYC」ラベルが片面に、そしてもう片面には66年にLibertyに買収された後の「Liberty」ラベルが使用されているというもの。ラベルの世代で言えば4世代の隔たりがあり、この眼前の現状把握に思わず3度見ほどした挙げ句、珍しさに記念写真を撮りました。こんなのでテンションがあがるなんてチョロいもんです。因みに盤としての中古市場価値は通常のLibertyと変わらないです。きっと工場の何処かの棚とかから余ったラベルが束で出てきたんでしょうね。使っちゃうかーと。結構適当です。


Fats Navarroの”The Fabulous Fats Navarro Volume 2”。表はLibertyラベルですが…


裏面はLexingtonラベル。ここに4世代の隔たりが。

でもですよ、このFats Navarroの「The Fabulous Fats Navarro Volume 2」はオリジナルとして「767 Lexington Ave NYC」ラベルのものは存在しています。しかし、ある瞬間にまとまってこの残余ラベルが使用されたとしたら、本来「Liberty」ラベルがオリジナルのタイトルでも「767 Lexington Ave NYC」が使用されてしまっているレコードがこの世の何処かに存在するかもしれないんです。あり得ない!わくわくしませんか?どうでしょう。あまりわくわくしない気もしてきました。私チョロいんです。

因みにこんなものも。


UAの溝有りプレス。この時プレス工場で何かあったのかな?とか想像してしまいます。

UAラベルの溝ありプレスです。

故障などが原因でしょうか、倉庫の奥で埃を被っていた数十年前の古めかしいプレス機を引っ張り出さなければならなかった出来事が70年代にあったのでは、と推測できます。この本来はあろう筈がない溝からそんな或る日のプレス工場が思い浮かばれるなんて、少しロマンチックじゃないですか?さてロマンとは。